まさかの2連勝を遂げた島崎とは対照的に、もうお通夜に近い湿った空気が漂っている花子。2戦目で受けた邪岩のダメージがまだ抜け切っていないようだ。とはいえ、まだ勝負が決まったわけではないので、花子にはやる気を出してもらわないと。

そこで担当者権限を発令。「次の一戦に勝ったプレイヤーが総合勝利」という、お約束のルールを採用した。すると見る見るうちに花子の目に光が戻るではないか。その影で島崎が「聞いてないよー! 訴えてやる!」と帽子をたたきつけて怒っていたのはいうまでもない。
かくして始まったラストバトル・南中侵攻戦。花子軍配下の1コスト武将が先の戦闘後に復活し、すべての武将が出撃できる状態となった。花子はドローで「一騎当千」を引き、「これはもしかするともしかするかもしれない……と」外野も色めき立つ。ぶつくさ愚痴を撒き散らしながらも、2戦目で捕縛した戦力を出撃させる島崎。ここまで頑張ったのに……負けられない、といったところか。


両者とも敵本陣まで拠点をひとつ制圧しなければならず、妨害技の使いどころが明暗を分けそうな南中戦。まず仕掛けたのは島崎だった。自軍兵糧庫に攻めてきた敵3軍団を迎撃し、技ポイントを溜めると、すっかり花子のトラウマになってしまった邪岩を発動。しかし花子もこれを自軍拠点に待機し、ダメージを受けたら回復アイテムを取るという「復活の計」(花子命名)を披露し、見事に克服する。敗戦を糧にした、花子の妙計が光る開幕となった。
しかし島崎も邪岩を連発することでさらなる揺さぶりをかける。「岩が落ちてくると進軍が止まる」という花子の策の弱点を突き、花子よりも早く敵本陣につながる拠点の制圧に成功した。これに対し、花子は少ない技ポイントで発動できる瞬動、牛歩を駆使し、島崎の本陣乗り込みを阻止。数度の瞬動が功を奏し、何と島崎が先に撃破された。これはまさかの大逆転が見えてきた!?
復帰した島崎はとにかく敵本陣へ急行。技ポイントの貯蓄と敵総大将を引っ張り出すために、「ひたすら連攻撃作戦」で攻め立てる。ポイントが溜まり次第邪岩を発動し、花子の行く手を阻む作戦に。両者一歩も譲らず、『Empires』史に残る(?)名勝負が繰り広げられた。
この接戦の均衡を崩したのは、またしても島崎。花子が本陣に乗り込んだと見るや「待ってました!」の一言とともに邪岩をプレゼントする。花子自陣に戻ろうとするも、敵武将と岩が行く手を阻み、満足に動けない。

そして岩と敵からの攻撃をモロに受け、花子は撃破されてしまった。2度目の衝撃に屈することなく、再度敵本陣を目指す花子。しかも、このとき両者ほぼ同時に本陣攻略に乗り出したため、まだ勝負からは目が放せない状態だ。順調に本陣の兵力を削り取っていく両者。拠点の耐久力が減少していくスピードもほぼ同等で、あとは敵総大将が出てくるのを待つだけという展開に……。
激戦の中、先に総大将を引きずり出したのは花子。それから遅れること十数秒、島崎も総大将を引っ張り出した。両者、怒涛の攻めを見せ、崩れ落ちる敵総大将・公孫越。果たして勝利したのは……?

見事勝利を収めたのは島崎ヤヒロ。最後の最後まで「ひたすら連攻撃作戦」を展開し、邪岩による妨害も忘れなかった島崎が僅差で花子を破っての勝利となった。「いやぁ、まさか自分が花子さんに勝てるなんて……」と感極まって涙ぐむ島崎をよそ目に、完敗した上に島崎の昼食まで負担することになった花子。4対0という島崎の完勝で今回の対戦は終了となった。
島崎との対戦に完敗し、屈辱を味わった花子。悔しさを晴らすべく、花子が取った行動とは……?
「負けっぱなしで終われるか! 再戦じゃー!」
わがまますぎる花子の再戦宣言……。完勝の余裕からか、再戦を受け入れる島崎。次回、どうなってしまうのか!?
(第9回目に続きます)
