カリブ姉妹、ヴェネツィア初上陸
2005/08/09 晴れ
ニナ、今日の出来事
こんにちは〜! ニナだよ。みんなおひさしぶり!

ところでみんな、ヴェネツィアって街行ったことある?
あたしたちは初めてヴェネツィアに行ったんだけど、すっごいきれいな街だね! 
ヴェネツィアって、海と結婚した街っていわれてるんだって。街の中に川が流れてて、橋がかかってて、川に小さなお船が浮いてた。建物とかもきれいで、貴族の街〜って感じだったよ。でも、あたしたちはセビリアの方が好きかな〜。
だって、迷子になっちゃいそうなんだもん!



ヴェネツィアの港に着いて、まず気になったのは、どこからか聞こえるバイオリンの音。あたしたち、自然と音楽のある方に体が動いちゃうんだよね〜。そしたら、教会の前で背の高いお兄さんがバイオリンを弾いてたの。大道芸の人かな? と思って、周りの観客の人と一緒にしばらく見てたらね。
「これは小麦色のお嬢さんたち。僕は晴れたるヴェネツィアの空で天使を授かったようだ」
ってあいさつされたんだけど…。こむぎいろ? てんし? 
なんか、ずっとむずかしいこと言ってたよ。こんにちは〜、会えてうれしいよ! ってことなら、そう言えばいいのにね。

「セニョール、見たところヴェネツィアの方ではないようですが。何故にヴェネツィアへ? いや、このような美しいお嬢さんをお連れになっては、着飾ったヴェネツィアの花も霞んでしまうと思いましてね」
今度はおじいちゃんにむずかしいお話。おじいちゃんも意味わかってるかな?
おじいちゃんはお仕事でこの街に来たけど、あたしたちはお祭りやってないか見に来たの。だからこのへんなお兄さんにお祭りやってないか聞いてみたんだ。
なんだかね、この街で生まれた新米船乗りさんがたくさん船出したみたい。それに合わせて、いろんな国から亡命して来た人がたくさん集まってきたんだって。だからお祭りさわぎなんだって。
とりあえず、あたしたちは『ボウメイ』がなんだかよくわかんなかったけど、おいしくって楽しいものだって聞いたの。その場にいた人も、亡命をしたことがある人たくさんいて、亡命してよかったって言ってた。
あとね、新米船乗りさんたちにもいろんなお話聞いたよ。この街のいいところ、悪いところ…。ヴェネツィアに帰ってくるときの向かい風が強くて、なかなかお船が進まないことは大変みたい。だけど、困ったときや苦労してるときに、先輩船乗りさんが助けてくれて、毎日が楽しいって。今はいろんなことが新しくてワクワクしてるって言ってた! みんな仲良く協力することは大事だよね。
ヴェネツィアの人たちはみんな仲良しな感じでした〜!



明日はマルセイユ。フランスの街なんだって。
おじいちゃんが言うには、フランスってお行儀がいい人が多いんだってさ。
あたしたちもお行儀よくしなきゃ〜。…できるかな?

そうそう、ヴェネツィアで会ったへんなお兄ちゃん、テオドールさんって言うんだけどね。ジェノヴァって街で生まれた吟遊詩人さんなんだって。いろんな街でバイオリン弾いてるみたいよ。
あたしたちと一緒にマルセイユに行くことになったんだけど。一緒に船に乗ったあたりからおじいちゃんがおかしいの。
「あのお若いの、わしらと生きる世界が違うような気がするのぉ…。
高貴な身分の方の雰囲気がするわい」
って。
普通のへんなお兄ちゃんだと思うけどな〜?

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