ニナだよ〜、今日もいいお天気！　セビリアのお天気はこうでなくちゃね。

今日はおじいちゃんが帰ってくる日なんだよね。
この前出発するときに、おじいちゃん新しい楽器をおみやげに買ってきてくれるって言ってたんだ。だから早く帰ってこないか、ちょっと早めにお迎えに行ったんだよ！
交易所のあたりで、今日も人がいっぱいいるな〜って思ったら、いいこと考えちゃったんだよね〜。新しい楽器、おじいちゃんも、もちろんあたしたちも、弾き方わかんない。ここにいる人たちなら誰かは先生になってくれるかな〜と思って、声かけたんだ。いろんな人たちがお話聞いてくれたよ。先生になってくれそうな人も見つけた！
おじいちゃんが港に着く時間になっちゃったから、みんなでお迎えに行ったんだ。おじいちゃん、ちゃんとおみやげ覚えててくれたかな〜？って心配してたけど、ちゃんと覚えててくれたの。はい、って渡されてもうすっごいうれしかった！　けど…
たたくと、パン、パン、って鳴った。


…これ、タンバリンだし〜〜〜！
ユミルカはバイオリン、あたしはリュートをお願いしたのに、ひどいよおじいちゃん…。
でもね、ちゃんと理由を聞いてみたら、バイオリンもリュートもあたしたちにはまだ難しいから、まずはタンバリンをいっぱい練習してほしいって言ってた。うまくなったら買ってくれるって。
たしかにバイオリンもリュートも指がこんがらがりそうだなあって思ってたけど…。せっかく先生も探したのになぁ。悪いことしちゃったな〜。
でもタンバリン、やってみるとすごい楽しい！　たたくところで音が違うしね〜。思い通りのリズムでたたくのもけっこう難しいよ。いっぱい練習してもっとうまくなろうっと！

せっかくたくさんの人が集まってたから、広場に行って練習してたんだ。みんなあたしたちのタンバリンに合わせて演奏してくれたの！　そのおかげでだいぶうまくなったよ。 あたしたち、こんなことしたいな〜ってずっと思ってたことがあるんだよね。前に街に来てた合奏団…。あんなのあたしたちもやりたいな〜って。広場にいた人たちにお願いしたら、みんなすぐに「いいよ」って言ってくれた。

教会の壁に並んで、即席楽団のできあがり〜！
指揮者もお願いして、さあ合奏！ってなったら、もうドキドキしちゃってしょうがなかったよ。指揮者さんとにらめっこして、一生懸命合わせたんだ。
タイミングがぴったり合ったとき、いろんな楽器の音が混ざり合ったとき、胸がじ〜〜〜んとしちゃった！
聞いてくれた人たちのアンコールの声が、本当にうれしかったよ〜。

でも、あたしたちだけで見たらまだまだ。もっとたくさん練習して、もっとうまくならなくちゃ。
毎日練習して、みんなに見せられるほどうまくなったら、またいっぱい人集めて合奏したいな。
ユミルカと、近いうちにまた合奏団したいねって話してるの。
おじいちゃんに、お仕事でほかの街に行ったら合奏団のこと広めてもらおうかな。