2012年7月アーカイブ

みなさん、お久しぶりです。 シブサワ・コウです。 いつの間にか夏本番といった、 暑い季節となりました。 今回は、この約1ヶ月の間のお話をさせていただきたく思います。


E3 2012会場から
月上旬、アメリカのロサンゼルスにて、E3(Electronic Entertainment Expo) 2012 が開催されました。
私も、昨年に引き続き同地を訪れ、最新のゲームマーケットに触れると同時に、当社のプレゼンテーションに立ち会うこととなりました。
私と同じく、ゲームを愛するみなさんのことですから、各社の発表に大いにワクワクされたものと思います。 当社におきましても、こちら にありますさまざまなタイトルのご紹介をさせていただきました。

て、アメリカからの帰国と、ほぼ時を同じくして受けた報告が、株式会社ガストが手がける最新作である 『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』 がいよいよと完成したということと、完成披露会を6月21日にお届けすることができるというものでした。

『アーシャのアトリエ
~黄昏の大地の錬金術士~』
『アーシャのアトリエ』 完成発表会
ガストとの経営統合後、最初に発売されたゲームは 『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』 です。PlayStation®Vita 向けに発売された全くの新規タイトルということもあり、ガストのクリエーターがさまざまなチャレンジをしているタイトルです。
一方、 『アーシャのアトリエ』 はアトリエシリーズの最新作であり、14作品目にあたります。
私がその完成の報告を聞いたときに真っ先に思い出したのは、経営統合を決める過程で、前作の 『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』 をプレイしたときのことです。

社同士の統合は、よく結婚にたとえられたりします。その際、財務諸表といった数字に関することももちろん重要ではありますが、私が最も重視したのは、どのようにお客様に満足いただける商品を作っているのか、“ゲーム作りの哲学” と言ってもいい部分です。


『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』
『メルルのアトリエ』 の冒頭に象徴的な場面があります。
主人公のメルルが、後に錬金術士の先生となってくれるトトリの家に押しかけ、そこで、煮えたぎっている大釜を勝手にかき回して爆発させてしまう。
もちろん、中身があふれてくると勘違いしていたわけですから悪気があったわけでは無いんですが、爆発させられた側のトトリの反応が良いんですよね。
大丈夫?とメルルを気遣った後、「いいのよ最初は誰でも失敗するわ」 とやさしく声をかけてあげる。 コーエーや、テクモのゲームには無い世界観、そして、何よりもお客様の心を癒そうという制作者の温かい心に触れた気がしました。

回の 『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』 では、アーランドシリーズと呼ばれている3部作が完結し、全く新たな物語がスタートしています。
同じく 『信長の野望』 というシリーズ作品を手がける身として、方向性が大きく変化するときに、果たしてお客様が受け入れてくださるのか、新しさを楽しんでくださるのか、といった不安を感じていました。


大宮ソニックシティで行われた「ガスト・ガーラ」
しかし、結論から言うと、そうした考えは杞憂でした。7月1日(日)に大宮ソニックシティで開かれたガスト初の公式イベントとなるガストガーラ。会場の周囲の列は伸び続け、雨の中、多くのお客様が辛抱強く開演を待ってくださいました。開演後も、ゲストの声優の方々に向けられる拍手だけでなく、岡村、土屋の両ディレクターに対しても温かいご声援をいただきました。

冒頭でE3のお話をしました。FPSのゲームを中心に、リアルな表現があふれ、そこでは、ハードコアな演出が行われることもあります。当社も、Team NINJAのタイトルを中心に、そうした市場に向けた取り組みを進めています。
しかしながら、この世の中、時代を癒す、優しさにあふれた作品も必要だと思います。

『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』 は14作品目で、『信長の野望』 を超えるシリーズ数となりました。長きに渡ってお客様に愛される作品作り。その答えが、アトリエシリーズの中にあふれています。

次回もどうぞ、お付き合いよろしくお願いします。