ふらふらと散歩しながら祭りを眺めるのが日課になってきた 今日この頃。なんと、カリブの妖精たちが僕の前に舞い降りた。 相変わらずかわいらしい。周囲に幸せを振りまいてくれる。 彼女たちも祭りに参加しに来たんだろうか。祭り好きな彼女たちなら、 この大規模な祭りは欠かすことが出来ないだろう。 彼女たちとの再会をよろこんでいると、ポーリーヌさんがやってきた。 初めて会ったときのように不機嫌だ。 どうもポーリーヌさんは、彼女たちとソリが合わないらしい。 髪飾りのことでケンカをしたりと、些細なことで衝突しあう。 彼女たちに仲良くしてもらいたくて、 先日やったゲームを一緒に やろうと提案した。 もちろん、周りにいた祭りの参加者たちともね。 僕とサウラ姉妹とポーリーヌさん、 そして飛び入り参加の航海者2名で、合計6人がゲームに参加した。 参加者は円陣を組み、周りの航海者の方々からの声援を受け、 気持ちを引き締めて臨むことが出来た。 2回目のテーマは「食べられる交易品」。 簡単だと思いタカをくくっていると、痛い目を見る羽目になって しまった。 僕は航海者じゃないし、商人でもないから、思った以上に的確な答えが出せない。 料理は得意だから、その食材からヒントを得て答えていったが…。 なんとか負けることはなかったけれど、ぎりぎりまで追い込まれた。 さすがは新進気鋭の航海者たちといったところか。
ポーリーヌさんと姉妹の心を通わせることはできなかったが、ゲーム自体は非常に盛り上がった。姉妹も楽しんでくれたみたいだ。ゲームが終わったところで姉妹のおじいさん、ホセさんが仕事を終えてやってきた。姉妹を連れて近隣の街を巡るらしい。 僕はその案内人として彼らについていくことにした。 遠くなるマルセイユを眺めながら、僕は思った。 ワインも、海も、空も、いろいろな表情を見せる。祭りに参加する人たちの人生も、ひとつとして同じものはない。 僕はどれだけの詩をうたっていけるんだろう。
君の髪が舞い 鼻先をくすぐった 君は風に文句を言う 日差しの強い午後
差し出した僕の手をするりとかわして 君は走り出す 風が運んできた ぶどう酒の香り高い祭り場へ
君の顔を見れずに頷いた 別れのあの日 君の髪から香るぶどう
今ならわかるよ あれは決別ではなく始まり 二人で夢を追うと決めた 幼い約束
ぶどう酒をあおる 心地よい酔いが体を巡る 微かに体を包むぬくもりは 酔いのせいではないのだろう