お市:
なにやら合戦の機運が高まって参りましたね。
兄様、そろそろご出陣ですか。
信長:
であるな。
俺は忙しいから行くぞ。
お待ちを!
ご出陣の前に、ひと仕事お願いいたします。
織田家の一兵卒さんから、こんなお便りが。
合戦の総大将は、何千人、何万人もの兵を
どうやって指揮しているんですか?
たしかに、戦場の喧騒の中で大声を張り上げても
誰も聞いてくれそうにありませんよね。
どうやって指示を出してるんですか、兄様。
うむ。俺が軍令を出すと、使番たちが馬を走らせ、各隊の
指揮官に伝達する。ホラ貝や陣太鼓など「鳴り物」の音を
合図に、指揮官たちは采配を振る。兵卒どもは、指揮官の
采配を見て、次に取る行動を理解する。わかったか。
まあ!
兄様が真面目に答えてくれた…。
市は、うれしゅうございます。うるるる。
…であるか。
では、もうよいな。
いましばらく!
実は悲しいお報せがございます。
この「であるか通信」は、今回で最終回なんです。
是非に及ばず。
合戦となれば下々の者に付き合ってはおれぬゆえ。
薄情な兄様…。
今まで読んでくれた皆さん、短い間でしたが
お付き合い頂きありがとうございました。
皆さんのご武運を心よりお祈りしています!



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