大森氏が築いた山城を、戦国時代に北条早雲が奪い取ってから、子の氏綱が整備、善政をしいて城下は「百年の平和」を謳歌していた。3代目・氏康の時、戦国三大奇襲戦のひとつ「河越夜戦」で、北条の武名は鳴り響く。1561年に上杉謙信、1569年には武田信玄にそれぞれ数カ月にわたって攻められながらも、落ちることなく「難攻不落」を誇った。1590年、豊臣秀吉軍に十重二十重に包囲され、相模湾は水軍で埋まった。伊達家に援軍を拒まれ孤立無援となり、頼みの綱の徳川家康も板挟みで動きがとれず、4カ月の籠城後、ついに4代・氏政らは切腹、開城する。若き5代当主・氏直は高野山へ入った。
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