スクリプトを書く(7)

◆ イベントによってデータを変える

イベントの発生によって、人物が改名する、 城主が変わる、相手との親密度を上げる、 城の防御度が下がるなど、データを自由に更新できます。
ここでは、4つのスクリプトコマンドを使います。

改名 人物の姓名を変更する
城主任命 城主を新たに任命する。
城主解任 城主を解任する。
家督を譲る 勢力の当主を変更する。
更新 様々なデータの内容を変える。

※ 上記のスクリプト名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

● 人物の姓名を変える

人物の姓名を変えるには、 「改名」を使います。
「改名」では、改名する人物、改名後の姓名と読みを設定します。

例:真田昌幸を武藤喜兵衛に改名


改名:(真田昌幸,武藤,喜兵衛,ムトウ,キヘエ)


◎ 姓名は、全角で各4文字以内。
◎ 読みは、半角で各9文字以内。

● 城主を変える

新たに城主を任命するには、 「城主任命」を使います。
「城主任命」では、城主にする人物と、城を設定します。
また、「城主解任」では、設定した城を直轄城にできます。


城主任命:(武将名,城)

城主解任:()


◎ 城名に「城」は付きません(清洲城なら「清洲」)。
◎ 実際に使用できる城名については、こちらで確認してください。

下記の例では、毛利元就に仕える主人公が評定に出ると、
元就より山吹城の城主に任命されます。

例:主人公が城主に任命される
太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:山吹城の城主になる{
		属性:一度だけ|ひかえめ
		発生契機:評定開始時(毛利元就)
		発生条件:{
			調査:(主人公)!=(毛利元就)
			調査:(大名家::毛利元就.存在)
			調査:(人物::主人公.所属大名家)==(大名家::毛利元就)
			調査:(城::山吹.所属大名家)==(大名家::毛利元就)
			調査:(城::山吹.城主)==(人物::吉川元春)
		}
		スクリプト:{
			会話:(毛利元就,主人公)[[本日、申し渡すことがある]]
			会話:(勲功家臣,毛利元就)[[何でございましょうや?]]
			会話:(毛利元就,主人公)[[(主人公)!\n{二人称}を山吹城の城主とする]]
			会話:(主人公,毛利元就)[[ま、まことでござりますか!?\nでは、(吉川元春.名)さまは…?]]
			会話:(毛利元就,主人公)[[{吉川元春.名前}はこの城に戻し\n{一人称}を補佐してもらう]]
			会話:(外交家臣,毛利元就)[[し、しかし{二人称}!]]
			会話:(毛利元就,主人公)[[うるさい! 本日の評定はここまでじゃ\nこれにて解散!]]

			//外に出して評定から抜ける
			施設出る:

			//主人公を城主に任命
			城主任命:(主人公,山吹)

			ナレーション:[[こうして(主人公)は、山吹城の城主となった]]
		}
	}
}

◎ もともと山吹城の城主だった吉川元春は、城主を解任されて家老になります。

● 勢力の当主を変更する

勢力の当主を変更するには「家督を譲る」を使います。
「城主任命」では、旧当主と新当主を設定します。


家督を譲る:(旧当主,新当主)


◎ 実行後、旧当主は家老として勢力に残ります。

下記の例では、今川氏真に仕える主人公が評定に出ると、
氏真より家督を譲られます。

例:主人公が家督を譲られる
太閤立志伝5イベントソース
チャプター:{
	イベント:今川家の家督を譲られる{
		属性:一度だけ
		発生契機:評定開始時(今川氏真)
		発生条件{
			調査:(状況::シナリオ)==(2)//「1568年昇龍の章」限定
			調査:(大名家::今川氏真.存在)
			調査:(人物::主人公.所属上司)==(今川氏真)
			調査:(人物::主人公.身分)>=(部将)
			調査:(人物::朝比奈泰朝.所属大名家)==(今川氏真)
			調査:(人物::朝比奈泰朝.身分)>=(城主)
			調査:(人物::朝比奈泰朝.イベント参加可能)
		}
		スクリプト:{

			代入城A:(人物::朝比奈泰朝.所属拠点)

			会話:(小姓,今川氏真)[[(今川氏真.名)さま、<城A>の(朝比奈泰朝)が\n参られました]]
			SEスタート:(物音)
			会話:(朝比奈泰朝,今川氏真)[[(朝比奈泰朝.名)、只今参上いたしました]]
			会話:(今川氏真,主人公)[[うむ、これでそろったな\n…皆、よう聞いてほしい]]
			BGM変更:(イベント危機)
			会話:(今川氏真,主人公)[[{一人称}には、父上ほどの器量はない\nこのままでは、当家は生き残れぬ]]
			会話:(勲功家臣,今川氏真)[[も、もしや、いずれかの大名家に\n従属なさるおつもり{です}か?]]
			会話:(今川氏真,勲功家臣)[[いや、違う\n今川家の栄光を取り戻すため\n{一人称}は当主の座を降りる]]
			会話:(外交家臣,今川氏真)[[な、なんと!\nでは一体、どなたが当主に??]]
			会話:(今川氏真,主人公)[[(主人公)!\n{二人称}、今日より今川姓を名乗ることを許す\n名は…、「義真」と改めよ]]
			会話:(主人公,今川氏真)[[そ、それはどういう…?]]
			会話:(今川氏真,主人公)[[{一人称}に代わって当家を統べよ]]
			会話:(今川氏真,主人公)[[皆も(主人公.名)…、いや義真さまを当主と仰ぎ\n今川家を盛り立ててくれ]]
			会話:(勲功家臣,今川氏真)[[ははーっ]]
			会話:(主人公,今川氏真)[[お、お待ちください\n{一人称}にはとてもそのような…]]
			会話:(朝比奈泰朝,主人公)[[(主人公.名)殿、腹を決められよ]]
			会話:(今川氏真,主人公)[[次回の評定は義真さまが開催する\n今日の評定はこれまでじゃ]]

			施設出る:

			ナレーション:[[(主人公)は今川義真と改名し\n今川家の当主の座に就いた]]
			ひとりごと:[[(これは、大変なことになった…)]]

			家督を譲る:(今川氏真,主人公)		//家督を変更
			改名:(主人公,今川,義真,イマガワ,ヨシザネ)	//ついでに改名
		}
	}
}

◎ イベント終了後、旧当主の今川氏真は家老になります。

● 様々なデータを変える

情報のプロパティのうち、 更新できるもの(「更新可能」の欄が「TRUE」の項目)は、 「更新」で内容を変えられます。
「更新」では、変更するプロパティと、変更後の内容を設定します。

例:主人公の悪名を最大にする


更新:(人物::主人公.悪名)(100)


現在の値を基準にして増減させたい場合は、「代入」を使います。
「代入」は、一時的に文字や数値をしまっておくコマンドです。

例:主人公の悪名を10増やす


代入a:(人物::主人公.悪名)+(10)
更新:(人物::主人公.悪名)(a)


◎1行目で、aという文字に、「現在の悪名+10」の数値を代入しています。
◎2行目で、現在の悪名をaの数値に変更しています。

※ 「代入」についての詳しい解説は こちらをご覧ください。

◆ 城主を独立させる

誰かに謀叛を起こさせ、独立させることができます。
ここでは、1つのスクリプトコマンドを使います。

独立 独立して新勢力を作る。

※ 上記のスクリプト名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

「独立」は、下記の書式を使います。


独立:(独立する武将,独立する城,モード)


◎ 「モード」には、「通常」と「陪臣のみ」があります。 「通常」にすると、独立城以外の城も呼応して共に独立することがあります。

下記の例では、織田家の林秀貞が独立します。

例:林秀貞、織田家から独立する
太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:林秀貞独立す{
		属性:一度だけ|ひかえめ
		発生契機:室内画面表示後(無効,自宅)
		発生条件:{
			調査:(大名家::織田信長.存在)
			調査:(主人公)!=(林秀貞)
			調査:(主人公)!=(織田信長)
			調査:(人物::林秀貞.所属大名家)==(大名家::織田信長)
			調査:(人物::林秀貞.身分)>=(城主)
			調査:(状況::空き大名家数)>=(1)//独立できるかどうか
		}
		スクリプト:{

			//城Aに、林秀貞の居城を代入する
			代入城A:(人物::林秀貞.所属拠点)

			//独立実行!
			独立:(林秀貞,城A,陪臣のみ)

			調査:(人物::主人公.所属上司)!=(林秀貞)
			分岐:(真){
			//独立城主が主人公の上司でない
				SEスタート:(忍者報告)
				会話:(忍者,主人公)[[<城A>の(林秀貞)が独立しましたぞ]]
				ひとりごと:[[ほう、{林秀貞.名前}がのう…]]
			}
			分岐:(偽){
			//独立城主が主人公の城主である
				SEスタート:(忍者報告)
				会話:(忍者,主人公)[[(主人公.名)さま!\n(林秀貞)さまが独立を\n宣言いたしましたぞ!]]
				ひとりごと:[[{林秀貞.名前}が独立!?\nそのような話、{一人称}は聞いておらぬぞ!!]]
			}

			スチル表示:(イベントスチル,出陣,無効,無効,フェード)
			ナレーション:[[<年>年<月>月、(林秀貞)は\nついに独立を果たした…]]
			スチル消去:(フェード)
		}
	}
}

◎ 勢力の数が最大数に達している場合は、独立できません。
◎ 各勢力の最大数は、大名家=70、忍者衆・海賊衆=15です。
◎ 独立可能かどうかは「状況::空き大名家数」を使って調べられます。


◆ 登用と寝返り

誰かを登用する、仕官する、寝返るなどができます。
ここでは、1つのスクリプトコマンドを使います。

人物登用 人物を登用する。または寝返らせる。

※ 上記のスクリプト名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

「人物登用」は、下記の書式を使います。


人物登用:(登用される人物,立場,登用する人物)


◎ 「立場」には、「直臣」と「陪臣」があります。
◎ 登用される人物が城主の場合、居城・陪臣ごと登用する人物の勢力に寝返ります。

● 登用する・仕官する

下記の例では、主人公が甲府の町を訪れると、武田家に登用されます。

例:主人公が武田家に登用される
太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:主人公が武田家に登用される{
		属性:一度だけ|ひかえめ
		発生契機:拠点内画面表示後(甲府の町)
		発生条件:{
			調査:(大名家::武田信玄.存在)
			調査:(人物::主人公.所属勢力タイプ)==(浪人)
			調査:(人物::内藤昌豊.イベント参加可能)
			調査:(人物::内藤昌豊.所属大名家)==(大名家::武田信玄)
			調査:(人物::内藤昌豊.身分)>=(部将)

			//主人公が内藤昌豊と面識がないときだけ発生
			調査:(人物::内藤昌豊.面識フラグ)==(面識なし)
		}
		スクリプト:{

			ひとりごと:[[ここが甲府の町か…]]

			会話:(内藤昌豊,主人公)[[おい、そこの者]]
			会話:(主人公,内藤昌豊)[[え、{一人称}ですか?]]
			会話:(内藤昌豊,主人公)[[{一人称}は甲斐武田家に仕える\n(内藤昌豊)と申す]]
			会話:(内藤昌豊,主人公)[[{二人称}、名は?]]
			会話:(主人公,内藤昌豊)[[(主人公)でございます]]
			会話:(内藤昌豊,主人公)[[うむ、(主人公.名)とやら\n本日より当家に仕官せよ]]
			会話:(主人公,内藤昌豊)[[え? 今、何と…?]]
			会話:(内藤昌豊,主人公)[[{武田信玄.代名詞}には{一人称}から\n申し上げておく]]
			//上記の{武田信玄.代名詞}は、ゲーム中は「御館さま」と表示される
			会話:(内藤昌豊,主人公)[[早々に支度するがよい\nでは、城で会おう]]
			会話:(主人公,内藤昌豊)[[ちょ、ちょっと!\n(内藤昌豊.姓)さま!]]
			ひとりごと:[[…な、なんだかわからぬが\n仕官することになってしまった…]]

			//主人公が武田信玄の直臣として登用される
			人物登用:(主人公,直臣,武田信玄)

			ナレーション:[[(主人公)は武田家に仕官した]]
		}
	}

}

● 城主が寝返る

他勢力の城主を登用すれば、寝返りになります。
下記の例では、シナリオ「1560年 日輪の章」で主人公が織田家所属の人物のとき、
主人公が自宅に戻ると、徳川家康(松平元康)が織田家に寝返ります。

例:徳川家が織田家に寝返る
太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:松平元康が寝返る{
		属性:一度だけ
		発生契機:室内画面表示後(無効,自宅)
		発生条件:{
			調査:(状況::シナリオ)==(1)
			調査:(大名家::織田信長.存在)
			調査:(大名家::徳川家康.存在)==(偽)
			調査:(人物::主人公.所属大名家)==(大名家::織田信長)
			調査:(人物::徳川家康.所属大名家)!=(大名家::織田信長)
			調査:(人物::徳川家康.身分)>=(城主)
		}
		スクリプト:{

			//城Aに、徳川家康の居城を代入する
			代入城A:(人物::徳川家康.所属拠点)

			SEスタート:(忍者報告)
			会話:(忍者,主人公)[[<城A>城の(徳川家康)が当家に降りましたぞ!]]
			ひとりごと:[[なに、{徳川家康.名前}が!?]]

			//徳川家康が織田信長の直臣として登用される
			//つまり、今川家から織田家に寝返ることになる
			人物登用:(徳川家康,直臣,織田信長)

			スチル表示:(イベントスチル,大名臣従,無効,無効,フェード)
			ナレーション:[[<年>年<月>月、(徳川家康)は\n家臣を率いて織田家に寝返った…]]
			スチル消去:(フェード)

		}
	}
}

◎ 徳川家康の城・家臣ごと織田家に寝返り、家康は織田家の城主になります。


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