スクリプトを書く(2)

◆ イベントCG・効果音・BGMを盛り込む

会話だけでは、イベントは盛り上がりません。
効果的にイベントCG(スチル)・効果音(SE)・BGMを挿入することで、 イベントをドラマチックに演出できます。
ここでは、3つのスクリプトコマンドを使います。

スチル表示 イベントCGやアイテムCGを表示する。
SEスタート 効果音を鳴らす。
BGM変更 BGMを変える。

※ 上記のコマンド名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

書式は下記の通りです。


スチル表示:(スチルの種類,イベント用スチル名,座標X,座標Y,効果)

SEスタート:(効果音名)

BGM変更:(BGM名)


◎ スチル表示の「スチルの種類」は、「イベントスチル」か「アイテム」を入れます。
◎ スチル表示の「X座標」「Y座標」は、アイテムを表示する際の表示位置の指定です。 イベント用スチルを表示させる場合は、どちらも「無効」としてください。
◎ 効果は、スチルを出す際の演出効果です。フェード、円形ワイプなどがあります。
◎ BGM変更・SEスタートの「BGM」「SE」は全角です。ご注意ください。
◎ BGM変更やSEスタートは、( ) の中にBGM名・効果音名を入れます。

下記の例では、「スクリプトを書く(1)」で使ったサンプルに、 イベントスチルやBGMを加えています。

例:秀吉とねねの会話

太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:秀吉とねねの会話{
		属性:一度だけ
		発生契機:室内画面表示後(無効,自宅)
		発生条件:{
			調査:(人物::主人公)==(人物::豊臣秀吉)
			調査:(人物::主人公.奥さん)==(人物::ねね)
		}
		スクリプト:{
			ひとりごと:[[おや? ねねは留守か\nどこへ行ったんじゃろ?]]
			BGM変更:(イベント悲しい)//BGMを変えて悲しさを膨らませる
			ひとりごと:[[いつもは口うるさい奴じゃが…]]
			ひとりごと:[[いなけりゃいないで寂しいもんじゃな…]]
			ナレーション:[[しばらくして…]]
			SEスタート:(物音)//セリフ前の演出に効果音を挟む
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[ただいま帰りました]]
			BGM変更:(イベントほんのり)//平和なBGMに変える
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[こら、どこへ行ってたんじゃ]]
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[うふふ\n{二人称}には申し上げられませぬ]]
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[なんじゃなんじゃ?\nじらさずに申してみい]]
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[何と仰られても申せませぬ]]
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[っかー! 気になるではないか!]]
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[わしらが祝言を挙げた日のことを忘れたか]]
			スチル表示:(イベントスチル,ねねと結婚,無効,無効,フェード)//思い出フラッシュバック!
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[あの日わしらは、生涯隠し事はせぬと\n誓ったではないか]]
			スチル消去:(フェード)//CGを消して現実に戻す
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[そんなこと誓ったかしら?]]
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[誓ったんじゃ!]]
		}
	}
}

◎ 「スチル表示」したら、適当な箇所で「スチル消去」しましょう。

● 例えば、こんなイベントCGがあります…

イベントCG(スチル)をいくつかご紹介します。

議論
出陣
勝ち鬨
上洛
巌流島の決戦
敗戦
婚儀
北野大茶会
平和な町

● BGMを聴いてみる

よく使うイベント用BGMは下記のスクリプトで確認できます。
新武将で始めて自宅に行くと、阿国さんがBGMを聴かせてくれます。

BGM視聴用イベント

太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:BGM視聴{
		属性:一度だけ|ひかえめ
		発生契機:室内画面表示後(無効,自宅)
		発生条件:{
			調査:(人物::主人公.人物番号)>=(960)//新武将限定
		}
		スクリプト:{
			SEスタート:(物音)
			会話:(出雲の阿国,主人公)[[こんにちは\nご機嫌いかが?]]
			SEスタート:(魅了する)
			会話選択:(出雲の阿国,主人公)[[よろしかったら\nBGMをお聴きになる?]]
			選択:[[聴いてみる]][[忙しい]]
			分岐:([[聴いてみる]]){
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[では、始めましょう]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[まずは「イベント悲しい」です]]
				BGM変更:(イベント悲しい)	//「イベント悲しい」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[………]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[悲しい気分になります…]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[続きまして「イベント嬉しい」です]]
				BGM変更:(イベント嬉しい)	//「イベント嬉しい」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[………]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[笑顔が似合う曲ですね]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[続きまして「イベント決意」です]]
				BGM変更:(イベント決意)	//「イベント決意」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[………]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[力が沸いてきますでしょ?]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[続きまして「イベント危機」です]]
				BGM変更:(イベント危機)	//「イベント危機」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[いけない! 追っ手が迫ってきたわ!]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[誰か! 誰か助けて!]]
				SEスタート:(刀で斬られる2)
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[きゃー!!]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[と、いうようなときにピッタリです]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[続きまして「イベント本能寺」です]]
				BGM変更:(イベント本能寺)	//「イベント本能寺」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[………]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[何か劇的な事件を予感させます…]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[最後に「イベントほんのり」です]]
				BGM変更:(イベントほんのり)	//「イベントほんのり」
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[………]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[ほんのりしつつ\nご機嫌よう…]]
				ひとりごと:[[ほんのり…]]
			}
			分岐:([[忙しい]]){
				会話:(主人公,出雲の阿国)[[いえ、またの機会に]]
				会話:(出雲の阿国,主人公)[[あら、残念…]]
			}
		}
	}
}

◆ イベント進行を分岐させる

イベントの進行を、 状況に応じて変えたり、 ユーザーに選ばせたりしてみましょう。 ここでは、2つのスクリプトコマンドを使います。

分岐 条件に従ってイベント内容を分岐させる。
選択 選択肢を表示して、ユーザーに選ばせます。

※ 上記のコマンド名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

● 「分岐」の使い方

条件に応じて進行を変えるには「分岐」を使います。
「分岐」は、主に「調査」とセットで使います。

例:性別に応じてメッセージを変える

調査:(人物::主人公.性別)==(男)
分岐:(真){
	ひとりごと:[[あっはっは!]]
}
分岐:(偽){
	ひとりごと:[[おほほほほ!]]
}

◎ 「調査」で比較した「主人公の性別が男」という内容が正しい(真)か、 違っている(偽)かで分岐させています。

● 「選択」の使い方

「選択」を使うことで、イベントの進行をユーザーに選ばせられます。
「選択」は「分岐」とセットで使います。

例:会話中に選択肢を出す

会話:(旅人,主人公)[[宿屋が満室で\n困っております]]
会話選択:(旅人,主人公)[[お願いです\n一晩泊めてくだされ]]
選択:[[泊める]][[泊めない]]
分岐:([[泊める]]){
	会話:(主人公,旅人)[[よかろう、入るがよい]]
}
分岐:([[泊めない]]){
	会話:(主人公,旅人)[[悪いが泊められぬ\n]]
}

◎「会話選択」を使うと、会話中に選択ボタンを表示します。
◎ 上記の例では、「泊める」「泊めない」の選択ボタンが表示されます。
◎「ひとりごと選択」「ナレーション選択」も使い方は同じです。

◆ 場面を移動させる

町から酒場へ、自宅から城へ、本拠から他の町へ…など、
イベント中に、場所を移動させてみましょう。
ここでは、3つのスクリプトコマンドを使います。

施設入る 拠点内から施設内(室内)に切り替えます。
施設出る 施設内(室内)から拠点内に切り替えます。
強制移動 他の拠点に移動させます。

※ 上記のコマンド名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

● 施設を出入りする

施設の出入りには「施設入る」「施設出る」を使います。
「施設入る」は、具体的な施設名を指定します。
「施設入る」は、町や城などの拠点画面でのみ、 「施設出る」は、施設内(自宅などの室内)でのみ有効です。

例:酒場を出入りする

発生契機:拠点内画面表示後(無効)
発生条件:{
	調査:(拠点::発生拠点.拠点タイプ)==(町)
}
スクリプト{
	ひとりごと:[[酒でも飲んでいくか…]]
	施設入る:(酒場)
	会話(主人公,MP主人):[[お、ずいぶん賑わってるな…]]
	会話(MP主人,主人公):[[ごめんなさい、今満席なんですよ]]
	会話(主人公,MP主人):[[そうかい、また出直すよ]]
	施設出る:
	ひとりごと:[[仕方ない、帰るかな…]]
}

◎ 施設に入らせる場合は、イベントが発生する場所に気をつけましょう。
◎「発生拠点.拠点タイプ」を使えば、発生場所(町・城・里・砦)を特定できます。
◎「MP主人」は、その施設の主人です。上記の場合は酒場の女将が登場します。

● 拠点間を強制移動する

拠点から拠点へ移動させるには「強制移動」を使います。

例:奈良から京へ移動する

発生契機:拠点内画面表示後(奈良の町)
発生条件:{
}
スクリプト{
	ひとりごと:[[そうだ、京へ行こう]]
	強制移動:(京の町)
}

◎ 強制移動した時点でイベントは終了します。


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