スクリプトを書く(1)

◆ スクリプトの書き方

属性・発生契機・発生条件の設定が終わったら、 イベントの内容をスクリプトを使って書きます。 スクリプトは、イベントが進む順番通りに 「会話」「ひとりごと」などのスクリプトコマンドを 書いていきます。
スクリプトコマンドは、1行に1つずつ、以下のような書式で書きます。


○○:(△△)[[□□]]


◎「○○:(△△)」という書き方は、 発生条件の「調査:」の書き方と同じです。
◎「[[ ]]」の中には、 表示するメッセージなどが入ります。


ひとりごと:[[もう金などいらぬわい]]
SEスタート:(小判をばらまく)
ナレーション:[[(主人公.名)は、小判を投げ捨てた]]


◎ 上記のように、コマンドによっては ( )[[ ]] が 省略される場合もあります。

◆ セリフやナレーションを表示する

セリフやナレーションを表示させてみましょう。
ここでは、3つのスクリプトコマンドを使います。

会話 2人の人物に会話させる。
ひとりごと 主人公がひとりごとをつぶやく。
ナレーション ナレーションを表示する。

※ 上記のコマンド名をクリックすると、詳しい解説を表示します。

「会話」「ひとりごと」「ナレーション」とも、
[[ ]] に、セリフを入力します。
「会話」は、セリフの前に話し手と聞き手を設定します。


会話:(話し手,聞き手)[[セリフ]]
ひとりごと:[[セリフ]]
ナレーション:[[セリフ]]

下記の例では、秀吉のひとりごとのあと、ナレーションを挟んで
秀吉とねねが会話します。

例:秀吉とねねの会話

太閤立志伝5イベントソース

チャプター:{
	イベント:秀吉とねねの会話{
		属性:一度だけ
		発生契機:室内画面表示後(無効,自宅)
		発生条件:{
			調査:(人物::主人公)==(人物::豊臣秀吉)
			調査:(人物::主人公.奥さん)==(ねね)
		}
		スクリプト:{
			ひとりごと:[[おや? ねねは留守か…]]
			ナレーション:[[しばらくして…]]
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[ただいま帰りました]]
			会話:(豊臣秀吉,ねね)[[こら、どこへ行ってたんじゃ]]
			会話:(ねね,豊臣秀吉)[[うふふ、内緒]]
		}
	}
}

【重要】 スクリプトで使える人物名

「調査」で人物のプロパティを調べたり、 「会話」の話し手・聞き手を設定したりするときなどに、 スクリプトの中で使える人物名は 複数の姓名を持つ人物であっても、1人につき1種類です。
例えば秀吉の場合、ゲームを進めるうちに 「木下藤吉郎」「羽柴秀吉」「豊臣秀吉」と名前が変わりますが、 スクリプト中で使える姓名は「豊臣秀吉」だけです。

【正】会話:(豊臣秀吉,ねね)[[結婚してくだされ!]]
【誤】会話:(木下藤吉郎,ねね)[[結婚してくだされ!]]

※イベントを起こしたい時代にかかわらず、スクリプト上は「豊臣秀吉」の姓名を使う!
※セリフ中で人名を使いたい場合は、後述する{二人称}や(人物名)を使うことで、ゲーム中の現在の姓名に自動変換して表示されます。


スクリプト中で使える人物名は、こちらで確認してください。

● 改行を入れる

セリフが20文字を超えると、自動的に改行しますが、
適当な箇所で改行を入れれば、セリフが読みやすくなります。
改行を入れるには、セリフの中に\nを挿入します。

例:改行を入れる


ひとりごと:[[おや? ねねは留守か…\nどこへ行ったんじゃろ?]]


ゲーム中では以下のように表示されます。


おや? ねねは留守か…
どこへ行ったんじゃろ?

● 相手の呼び名を入れる

メッセージコール」を使うと、 状況に応じてセリフを変化させることができます。

会話中、話し手が聞き手の名前を呼ぶ必要がある場合は、
セリフの中に {二人称} {二人称名前} を挿入することで、
ゲーム中の2人の関係に応じた呼び名が自動的に表示されます。

例:相手を呼ぶ


会話:(ねね,豊臣秀吉)[[うふふ\n{二人称}には申し上げられませぬ]]


◎ ゲーム中では以下のように表示されます。


うふふ
お前さまには申し上げられませぬ


◎ {二人称} を使うと、「お前」「貴殿」など代名詞を使った呼び方になります。
◎ {二人称名前} を使うと、「○○様」「○○殿」などの呼び方になります。

● 人物に合わせて語尾などを変える

相手の立場が上(身分が高い・師匠であるなど)の場合には敬語を使うなど、
状況に応じて口調を変えられます。
口調を変えるには「メッセージコール」を 使います。

例:相手の身分に応じて敬語を使わせる


会話:(主人公,前田利家)[[おや、{二人称名前}…\nよう{参った}な]]


◎ 主人公より前田利家の方が立場が上なら、以下のように表示されます。


おや、利家さま…
よう参られましたな


主人公より前田利家の方が立場が下なら、以下のように表示されます。


おや、利家…
よう参ったな

● 誰かの名前を入れる

太閤立志伝Ⅴ DXでは、ゲームを進めるうちに姓名が変わる人物がたくさんいます。
セリフ中で、誰かの姓名を言わせたい場合は、(人物名) と書くことで
姓名が変わった場合でも、現在の姓名で呼ばせるようにできます。

例:誰かの姓名を言う


会話:(忍者,主人公)[[ついに(上杉謙信)が兵を挙げましたぞ!]]


◎ ゲーム中、上杉謙信の名前が「上杉輝虎」なら、以下のように表示されます。


ついに上杉輝虎が兵を挙げましたぞ!

また、(人物名.姓) (人物名.名) と書くことで、人物の姓や名前だけを
表示することもできます。

例:誰かの名前を言う


会話:(忍者,主人公)[[ついに(上杉謙信.姓)家が兵を挙げましたぞ!]]


◎ ゲーム中、上杉謙信の名前が「長尾景虎」なら、以下のように表示されます。


ついに長尾家が兵を挙げましたぞ!

相手との関係によって呼び方を変えたい場合は、 「メッセージコール」を使います。

例:相手との関係に応じた呼び名にする


会話:(豊臣秀長,ねね)[[{豊臣秀吉.名前}を見ませんでしたか?]]
会話:(ねね,豊臣秀長)[[さあ…]]
会話:(豊臣秀長,ねね)[[では、{前田利家.名前}は?]]


ゲーム中は、以下のように表示されます。


(秀長)兄上を見ませんでしたか?
(ねね)さあ…
(秀長)では前田殿は?

● 現在の年月を入れる

ナレーションなどで年月を表示させたい場合は、
「<年><月>」を使います。

例:現在の年月を入れる


ナレーション:[[それは<年>年<月>月のこと…]]


ゲーム中で1560年4月である場合、以下のように表示されます。


それは1560年4月のこと…

◆ 小姓や町人を登場させる

「会話」では、小姓や旅人など固有の姓名を持たない人物も設定できます。
イベントの中に、小姓や町人などの脇役を登場させてみましょう。

例:小姓と話す


会話:(小姓,豊臣秀吉)[[お帰りなさいませ]]
会話:(豊臣秀吉,小姓)[[うむ\n…ねねは留守か?]]
会話:(小姓,豊臣秀吉)[[少し前にお出かけになりました]]


◎ 脇役人物の一覧はこちらから「イベント人物」「町人」をご覧ください。

● 脇役に名前を付ける

小姓にそのまま会話させると、「小姓」という名前で話しますが
好きな名前を付けて表示することもできます。
名前を変えるには、「変名会話」を使います。
変名会話では、姓名を各全角4文字までで設定します。

例:旅人の名前を「うっかり八兵衛」にする


変名会話:(旅人,主人公,[[うっかり]],[[八兵衛]])[[こいつは、うっかりだ!]]


◎ 旅人の名前が「うっかり八兵衛」と表示されます。
◎ 「うっかり」が姓、「八兵衛」が名、ということになります。


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