序章
先輩、お初にお目にかかります
錬金術――白きほうき星からもたらされる「マナ」を糧に、新たなものを生み出す力。
ランターナ王国はかつてその力により発展を遂げたが、いつしかほうき星は現れなくなり、次第に錬金術は衰退し、忘れられた存在となっていった。
今では希少な錬金術士の一人、レスナ・シュテルネンリヒトは、幼馴染のイザナと共にランターナ王国の王都へと向かっていた。彼女の夢は、手付かずのマナが眠るという伝説の地「果ての大陸」を見つけ、錬金術を復興すること。その第一歩として、師匠のザスキアの元を離れ、修行の旅へと出たのだった。
道中、レスナはライザと名乗る錬金術士に出会う。彼女は「異邦人」と呼ばれる、異世界から訪れた人間だった。その後も異邦人の錬金術士に立て続けに出会い、レスナは彼女たちを「先輩」と呼び慕うようになる。そんな「先輩」の一人、シャリステラを旅の仲間に加え、レスナは王都への歩みを進める。
1章
王都にて
憧れの王都に到着したレスナは、街の広場にあるカフェ「星の繭」でライザとの再会を果たす。師匠から与えられた「お金を稼げる錬金術士になる」という課題をこなすべく、レスナは仕事の依頼に挑戦することになる。
植物と話すことができるという少年、オスカーも仲間に加わり、レスナたち一行は王都近郊の湿地帯へと向かう。途中窮地に陥りながらも、仲間たちの助けを借りて依頼を達成したレスナだったが、自らの未熟さを猛省し涙を流すのだった。
一方その頃、王都を拠点に活動する冒険者のヴァレリアは、相棒のハイディ、行商人のフロッケと共に共同生活を送っていた。彼女は3年前より昔の記憶がなく、自分の親の顔も分からない。慎ましくも賑やかな毎日の中で、そのことだけが気がかりだった。
2章
月影の会
王都で錬金術士としての修行を続けるレスナは、ひょんなことから冒険者のロマンと出会う。共通の志を持つ二人は意気投合し、行動を共にしていく。その後、経過報告を兼ねて故郷のフリーゲンに帰ったレスナは、彼女の消極性を見抜いたザスキアから、見習い卒業の最終課題を言い渡される。それは「ランタナの花」「ランタナの貝」という2つの素材を集め、薬を調合するという内容だった。
ランタナの花の採取のため洞窟へ向かったレスナは、そこでヴァレリアと偶然の出会いを果たす。彼女もまた、自身が所属する「月影の会」より依頼を請け、ランタナの花を探しに来ていたのだ。勇気を振り絞ったレスナは、自らヴァレリアに協力を申し出る。
ヴァレリアを仲間に加え、洞窟を進むレスナたち。その奥で花を見つけたのも束の間、「極夜の錬金党」を名乗る二人の錬金術士、ララとジェロンが現れる。己の「渇望」のため素材を独占しようとする二人に立ち向かうレスナたちだったが、その場にあった花はすべて持ち去られてしまう。それでも洞窟を隅々まで探し、なんとか花を見つけたレスナとヴァレリアは、再会を約束し別れたのだった。
その出来事の裏で、月影の会の会長オリバーは、組織の監視役である「鴉」に対し、ある命令を告げていた――
3章
レスナとヴァレリア
ヴァレリアとハイディが月影の会から言い渡された仕事は「錬金術士レスナの討伐」。ヴァレリアは依頼の取り下げを迫るが、「鴉」に反逆の意思を咎められ、追われることとなる。鴉の容赦ない追撃で窮地に陥る二人。そこへ、二人の「家族」であるフロッケと、酒飲みのランツェが助けに来る。元船乗りだというランツェは、自分の船にヴァレリアたちを連れて乗り込み、追っ手を振り切って王都脱出を図るのだった。
同じ頃、レスナは課題に必要なもう1つの素材「ランタナの貝」を探しに、王都近くの海辺に向かっていた。その道中、異邦人の錬金術士、マルローネとロジーに出会い、協力関係を結ぶ。海辺で貝を探している最中、鴉に追われていたヴァレリアたちの船が偶然そこに辿り着く。事情を飲み込めないレスナだったが、ヴァレリアを守りたいという想いから、鴉との戦いに身を投じることとなる。
辛くも鴉の撃退に成功したレスナたちだったが、ヴァレリアは深手を負い、命の危機に瀕してしまう。レスナは最終試験の課題で作ろうとしていた薬があればヴァレリアを助けられると気付き、ハイディたちにも協力を頼んで調合に挑む。そして見事に調合を成功させ、ヴァレリアを助けることができた。ザスキアから合格を言い渡されたレスナは、晴れて一人前の錬金術士となったのだった。
4章
ヴァレリアの願い
月影の会から実質的に追放となり、レスナのアトリエに匿われているヴァレリアは、今後の身の振り方に悩んでいた。そんな中、気まぐれに調合を手伝ったところ、彼女に錬金術の才能があることが判明。ヴァレリアはますます自分の正体への疑問を深めていく。
ザスキアの取り計らいで、ヴァレリア、ハイディ、フロッケ、ランツェの4人はフリーゲンに移住することが決まり、新たな共同生活が幕を開ける。生活と家賃のため新しい仕事を探していたヴァレリアとハイディは、レスナの要請を受けて遺跡の魔物討伐に参加することになる。その遺跡は、ヴァレリアが3年前に目覚め、ハイディと出会いを果たした場所でもあった。
レスナと共に行動する中で、今までにない楽しさを感じたヴァレリア。彼女はこれからもレスナをそばで守り、レスナの夢を助けたい、と新たな目標を見つけるのだった。
5章
外の世界
レスナは錬金術士として研鑽を積むべく、王都州の外へ遠征に向かうことを決める。最初の目的地は大陸の南部、火山地帯が広がる「ハイネ州」。そこで起きている作物の不作問題を解決するべく、同じく南へ向かう予定だった異邦人のウィルベル、ニオ、レジナの三人組と共に、レスナたち一行は王都を旅立つ。
流れ星に祈りを捧げた湖畔での野営、苦手な虫に四苦八苦した密林探索など、初めての体験を重ねながら、レスナはハイネ州の火山地帯に到着する。最初はレスナの役に立ちたいという思いが空回っていたヴァレリアも、ニオたちの話を切っ掛けに、自分なりの支え方を見出していく。強敵を撃破し、火山の頂上へとたどり着いたレスナたちは、ウィルベルの空飛ぶ魔法などの助けもあって、不作問題解決の糸口となる素材「ハイネの炎石」を手に入れたのだった。
しかし、強敵との戦闘でレスナを守るどころか、自身がヴァレリアに助けられてしまったイザナは、独り焦燥を深めていく。
6章
私のとなり
イザナはここ最近成長を遂げたレスナと比べ、己の力不足を痛感していた。そこへララが現れ、イザナをララ・キングダムの民として勧誘しようとする。当然断るイザナだったが、このままではレスナを守る騎士など務まらないと、不安は募るばかりだった。
引き続き、不作問題解決に取り組んでいるレスナは、必要な素材を求めてハイネ州の大原野に向かうこととなる。旅の仲間を探す中で異邦人の戦士リラに出会ったイザナは、己を鍛えるため、リラに弟子入りすることを決意する。そばにいてと懇願するレスナを固い意志で振り切り、ついに彼女の元を離れるのだった。
大原野へ向かったレスナたちは、その奥でララと遭遇する。またも素材を奪われそうになるが、極夜の錬金党にスパイとして潜入していた異邦人のアンペル、さらには修行を経て才能を開花させたイザナが加勢し、撃退に成功する。戻ってきたイザナを涙で迎えるレスナ。二人は改めて、錬金術を復興させること、騎士としてレスナを守り抜くこと、というお互いの夢を流れ星に誓うのだった。
7章
浪漫の果てに
錬金術士による不作問題解決の報は王都まで届いたものの、錬金術に対する世間の目は相変わらずだった。そんな折、レスナたちのもとへロマンが盗賊団に誘拐された、という一報が入る。なんと、ロマンの正体はランターナ王国の第二王子だったのだ。
王宮薬士として務める異邦人のアーシャやその助手のオディーリアたちとともに、ロマンの救出に乗り出したレスナは、盗賊団が潜伏する採掘場跡へと足を踏み入れる。盗賊団を出し抜き脱出を図ったロマンと無事に再会を果たすも、同じく王子の身柄を狙ってやってきた月影の会の鴉が現れ、戦闘となる。
ヴァレリアの活躍で鴉を撃退。駆け付けた騎士団によって盗賊団も制圧され、誘拐事件は終息した。ロマンの正体が判明し、これからは気軽に会うことはできなくなるかもしれない、と残念に思うレスナだったが、ロマンは王を説得し、再びレスナの同志として舞い戻ってくるのだった。
8章
騎士たち
再びレスナの旅仲間に復帰したロマンだったが、また先日のような事件が起こらないよう、お目付け役が付けられることとなった。その役に抜擢されたのは、騎士団の中でも特に優れた実力を持つ「白夜の騎士」の一人、ユナだった。ユナは魔物の中でも特に強大な力を持つ「頂獣」についての調査を行っていたという。
大陸北部に位置する寒冷地帯「シュネール州」からの依頼を請けたレスナ。しかし、依頼に取りかかろうとした折、街に魔物の群れが現れる。度重なる襲撃に疲弊するレスナたちだったが、ユナとロジーの活躍もあり、なんとか撃退に成功する。その裏で、レスナの頼みを受けて素材の採取に向かっていたヴァレリアたちは、雪山の奥で極夜の錬金党のアンチュと遭遇していた。
依頼を終えて王都に戻ってきたレスナたちに、ある知らせが舞い込んでくる。それは、大陸東の海に頂獣が現れたというものだった。
9章
目覚めた災厄
頂獣「ウェルテックス」。それは9年前にも東の近海に現れ、甚大な被害を出した存在だった。騎士であったレスナの父もまた、この頂獣との戦いに参加した後、行方知れずとなっていた。
王国ではこの緊急事態に対処するべく、騎士団や冒険者たちを中心に討伐部隊を編成。錬金術士のリディー、スール、フィリスをはじめとした異邦人たちに加え、レスナやヴァレリアたちもまた作戦に参加することとなる。
ヴァレリアとハイディはザスキアが作り上げた特別な装備を身に纏い、フロッケやフィリスたちと共に、ウェルテックスの進路上にあるクア州沖の孤島へ向かう。激闘の末、一時は目標を達したかに見えたが、ウェルテックスはさらなる力を解放。ヴァレリアとハイディを残し、仲間たちは黒い球に呑まれて消えてしまう。
10章
それぞれの覚悟
仲間がいなくなってからも、島に残り戦いを続けていたヴァレリアとハイディ。いつしか夜が明け、夜行性のウェルテックスは一時海中に姿を消すが、二人が負った傷は深かった。
本土でヴァレリアたちの帰りを待っていたレスナは、二人が大怪我を負ったこと、さらには他の仲間たちが行方知れずになってしまったことを聞き、絶望の淵に立たされてしまう。しかし、師のザスキアの言葉に励まされ、必ず頂獣を打ち倒すと決意を新たにする。
いよいよ大陸本土にもウェルテックスの脅威が迫ろうとしていたその時、行方不明になっていたフロッケたちが戦場に姿を現す。頂獣討伐に向けて、再び希望が見えてきたのだった。
11章
ランターナ最後の日
レスナはヴァレリアたちの戦線復帰に向けた治療薬の調合や、頂獣の力に対抗するための秘密兵器の作成など、戦いに向けての準備に奔走していた。そしていよいよ、ウェルテックスが大陸本土に上陸。最終決戦の時を迎える。
騎士や冒険者、錬金術士たちはウェルテックスと互角の戦いを繰り広げる。一時は窮地に陥りかけるも、極夜の錬金党のジェロンが現れてレスナたちに加勢し、ウェルテックスの力を押さえつける。死闘の末、レスナたちはついに討伐を成し遂げた。
頂獣討伐という王国史上初の快挙。レスナはその立役者の一人として讃えられ、錬金術の力もまた民衆に知られるところとなった。しかし、歓喜に沸く王国の裏で、極夜の錬金党の党首クリセルダが行動を開始していた。
12章
親と子と
頂獣討伐から少しして、現場に安置されていたウェルテックスの骸が奪われるという事件が起きる。極夜の錬金党の仕業とみられるが、その行方や目的は掴めないままだった。
いずれ来る果ての大陸への旅に向けて、ランツェはかつての勘を取り戻すべく、ヴァレリアたちを連れて航海に出る。大陸南西の「オアゼス州」に着いた一行は、そこで行方知れずだったフロッケの両親と思しき二人組と遭遇する。しかし、彼らは別人だと言い張る。
ずっと両親を探し続けていたフロッケの気持ちに応えようと奔走するヴァレリアたちだったが、彼らが私利私欲のために娘を利用しようとしていたことを知り、怒りを爆発させる。これからも自分たちが「家族」として、フロッケを守り続けることを誓うのだった。
13章
三つ巴
頂獣出現や、それに連なる極夜の錬金党の暗躍。その混乱に乗じて、月影の会は周辺の盗賊団を傘下に収め、急速に勢力を伸ばしていた。それを受け、王国も対策に本腰を入れつつあった。
そんな中、レスナは依頼を請けて「ジュゲル州」の密林へ赴く。ジュゲル州にはすでに月影の会の手が伸びており、傘下にある盗賊団や、それを指揮する鴉との戦闘を余儀なくされる。同行していたユナや異邦人のリンカたちの活躍により一行は盗賊団を一掃するが、鴉は森の奥へと去って行ってしまう。
鴉を追って森を進むレスナたちは、その中にぽっかりと空いた空白地帯を発見する。それは、災厄を呼ぶ「赤のほうき星」がかつて落ちた際に生じたものだった。そこで待ち受けていたのは、極夜の錬金党のワルター。彼が呼び寄せた魔物に苦戦しながらも、レスナたちはなんとか撃退し、依頼を達成したのだった。
14章
堕ちた羽
月影の会の暴走は止まらず、ついに王国はその鎮圧へと動き出した。会長のオリバーを捕らえるべく、ウィルベルと共に会のアジトへと潜入したロマンは、オリバーの命を受けた鴉がレスナの身柄を捕らえるために動いていることを知る。
同じ頃、レスナは「ホーフナ州」にある大穴の調査依頼を請け、異邦人のコルテス、ユリエと共に現地へ向かっていた。大穴での調査の最中、鴉の襲撃を受けたレスナだったが、事故が重なり鴉と共に大穴の奥深くへと落ちてしまう。
脱出のため一時的に鴉と協力関係を結んだレスナは、鴉の名が「ヨハナ」であること、彼女はあくまでオリバーに利用されているだけであることを知る。無事脱出に成功した二人だったが、ヨハナはそこでオリバーの逮捕と月影の会の壊滅を知らされる。抵抗を続けたヨハナだったが、最後には捕らえられ、主人であり最愛の祖父でもあったオリバーにも見捨てられ、失意のまま牢に入るのだった。
15章
君が生まれた日
罪人として牢に入ったヨハナ。しかし、大穴で彼女の過去や本心を知ったレスナは、ヨハナの更生と再起を願い、依頼を手伝ってもらうという名目で彼女の仮釈放を実現した。
牢を出たヨハナと、師匠のザスキア、さらには異邦人の騎士ステルクも加わり、レスナは大陸随一の山脈がそびえる「ベルク州」へと赴くことになる。ヨハナのわがままに手を焼かされながらも、レスナは徐々に彼女と距離を縮めていった。
ベルク州の高地では、極夜の錬金党のララとジェロンが待ち受けていた。自分の力――価値を示すために、ヨハナはララたちを捕まえようとするが、逆に人質として囚われてしまう。しかしレスナは身の危険も顧みず、「友達」であるヨハナを救いに来た。その想いに触れたヨハナはついにレスナたちと共闘し、ララたちを退けるのだった。かくしてレスナとララの完全決着は、錬金党の拠点の1つ、「ルイネ州」の古城へと持ち越された。
その頃、錬金党の党首クリセルダは密かにヴァレリアと接触し、彼女がホムンクルス――錬金術によって創られた存在ではないかと指摘する。その言葉を受け入れられない彼女に対しクリセルダは、自分ならばヴァレリアを定められた道から解放できると言い放つ。
16章
錬金術士たちの晩餐
ララの誘いを受け、極夜の錬金党が居を構える「ルイネ州」の古城へと向かうレスナたち。そこでは、党首のクリセルダをはじめ、極夜の錬金党の面々が勢揃いしていた。
話し合いによる平和的解決を望むレスナだったが、クリセルダは自身の渇望は国家すらも揺るがす可能性があるものであり、和解の道など初めからない、と言い放つ。他の面々も意志は変わらず、戦いになってしまう。
古城で手に入れた謎の石により新たな力に目覚めたレスナとヴァレリアは、ララとジェロンを打ち負かす。しかし、クリセルダは奪った頂獣の骸を元に創り出した「人造頂獣」を戦場に放つ。その脅威を目の当たりにしたレスナたちは、撤退を余儀なくされる。
戦いに敗れたララとジェロンは、それぞれの渇望をレスナに明かす。レスナは二人の想いを聞き入れ、その言葉と行動で二人を口説き落とす。心強い仲間を得たレスナは、クリセルダとの決着に向けて再び動き出すのだった。
17章
進軍頂獣兵団
ララから情報提供を受け、極夜の錬金党の潜伏場所の調査に乗り出そうとするレスナたち。しかし、先に動き出したのはクリセルダの方だった。各地に散らばる異邦人たちの元へ魔物を送り込み、動きを封じてしまったのだ。
「ガルネ州」の海底洞窟にある極夜の錬金党の拠点へ向かうレスナたちだったが、そこで待っていたのは4体の人造頂獣だった。クリセルダは、自分たちの要求を呑まなければ、この人造頂獣を王都をはじめとした大陸各地へ放つと脅迫する。その要求とは、王宮の書庫の開放、そして王宮に貯蔵される希少素材の譲渡という全面降伏にも等しい内容であり、到底受け入れられるものではなかった。
要求を呑まず徹底抗戦を決めた王国は、レスナたち主導のもと人造頂獣の討伐作戦を開始する。異邦人たちへの襲撃は止まず、彼らが身動きを取れない中、騎士団やララ、ジェロンの協力もあり、なんとか人造頂獣4体の討伐に成功した。しかし、街にはその戦いの爪痕が深く残る結果となった。
18章
交錯する運命
人造頂獣との戦いの直後、ヴァレリアが忽然と姿を消した。手分けして探すレスナたちだったが、手掛かり一つ掴めない。さらに、先の事件以来、世間では錬金術に対する風当たりが強まっていた。
不安が募る中、レスナは依頼を請けて「ルクルク州」の峡谷へと赴くことになる。順調に仕事を進めるレスナたちだったが、そこへ極夜の錬金党のアンチュが現れる。彼女はララとジェロンが裏切ったことに怒り、仲間に引き戻そうとしていた。
傷を負いながらもなんとかアンチュを下したレスナたちの元に、行方不明になっていたヴァレリアが姿を現す。しかし彼女はレスナの言葉には耳を貸さず、クリセルダの命令にのみ従うようになってしまっていた。レスナは状況が呑み込めないまま、アンチュを連れ去るヴァレリアを見送ることしかできなかった。
19章
許されたもの
ヴァレリアを取り戻すため、極夜の錬金党最後の拠点へと向かうレスナたち。王国の「錬金爵」として錬金術士たちの監査役を務めるブラッドや、ヴァレリアたちの元同僚にして「喧嘩屋」のマクダなど、新たな仲間も加わった。
途中、ララの側近であるミーケ、ディオーナが現れ、勘違いから戦闘になるといったごたごたもありつつ、拠点の奥へと進んでいくレスナたち。その先では、ワルターとアンチュ、そしてヴァレリアが待ち構えていた。
ワルター、アンチュの二名を下し、捕縛に成功するも、ヴァレリアを取り戻すことはできなかった。拘束したワルターから情報を聞き出したレスナたちは、クリセルダが人造頂獣を超える力を得ようと画策していることを知るのだった。
20章
約束
大陸東、「ヴィアベル州」の群島でヴァレリアの目撃情報があったことを聞きつけ、レスナはワルター、アンチュを伴い現地へ向かう。なかなか心を開かないアンチュだったが、レスナが根気強く彼女に寄り添ったことで、徐々に協力してくれるようになる。
情報通りヴァレリアを見つけるも、一度は逃げられてしまう。そこで、彼女を元に戻すための道具を作り、ハイディや異邦人のキースグリフ、プラフタたちにも応援を頼んで再び捜索に乗り出す。そして、今度こそ彼女を正気に戻すことに成功したのだった。
ヴァレリアは迷惑をかけたことを謝りつつ、自身がホムンクルスかもしれないという話を仲間たちに明かす。記憶がないのもそのせいだろう、と。キースグリフらの証言からも事実と考える他なく、レスナは衝撃を受けるが、本人はあまり気にしていないようだった。
再会を喜ぶレスナたちだったが、その裏でクリセルダの計画は最終段階に入っていた。頂獣から得た力を手に、クリセルダは再び行動を開始する。
21章
ヴァレリア
頂獣の力を手に、異形の姿と化したクリセルダが単身王都に現れる。迎撃しようとしたブラッドらを無力化し、アンチュとワルターを瞬く間に連れ去ってしまった。不安に駆られる住民たちを見たレスナは、「錬金術は人々を幸せにするための力」という自身の信念に則り、必ずクリセルダを止めると決意する。
彼女の行方を追うレスナたちの元へクリセルダ本人から「依頼」が届く。場所は「閉ざさずの門」、内容はクリセルダの討伐――挑戦を受けたレスナは仲間たちと共に遺跡の奥へと乗り込む。そして死闘の末クリセルダを打ち破り、見事企みを阻止したのだった。
クリセルダは語る。この星には世界を意のままに操る超越的な存在がいる。その存在を引きずり出し、打ち倒すことこそが彼女の渇望だと。その言葉を裏付けるように、世界の守護者を名乗る二人組が現れる――錬金術士を名乗るアウグスト、そしてレスナの師であるザスキアだった。
ホムンクルスを創り出した存在である彼らによってヴァレリアが操られ、窮地に陥るレスナたち。しかしヴァレリアは自らの意思でアウグストの束縛を断ち切り、彼を道連れに深い谷の底へ消えるのだった。みんなと育んだ大切な想いを、胸いっぱいに抱きながら。
22章
抗う者たち
谷の底に倒れていたヴァレリアは、ホムンクルスの心臓である核が深く損傷し、機能停止状態となっていた。レスナは挫けそうになりながらも、錬金術士の先輩をはじめとした仲間たちや、共通の敵を得て利害が一致したクリセルダらの協力を得て、ヴァレリアを目覚めさせるために奮闘する。
これまで得た知識と人脈を総動員して、なんとか核の修復に成功したレスナ。しかし、目覚めたヴァレリアは、これまでの日々の記憶を失ってしまっていた。また一から関係を築こうとするレスナだったが、ヴァレリアはなかなか心を開いてくれなかった。
そんな中、極夜の錬金党討伐の功績を讃え、レスナは正式に王国から支援を受けられることとなる。いよいよ、ランターナを飛び出し、果ての大陸を目指すという当初の目標が現実味を帯びてきた。
ザスキアと再会を果たしたレスナは、「パルメ族」と名乗る彼女らの庇護は受けず、自分たちで道を切り開いていく、という決意を表明する。そうしてヴァレリアと共にザスキアを退けると、レスナは改めて、自身の夢をヴァレリアに語るのだった。――師と決別したレスナの、新たな旅が始まろうとしていた。
23章
新天地へ
極夜の錬金党壊滅から一年。レスナはランターナ王国の支援のもと、いよいよ大陸外への航海に繰り出していた。目的地は「無数島群域」と呼ばれる多くの島々が存在する海域――その中にある、「ノーヴァ神聖国」という国である。
航路には頂獣「クヴァレルガ」が棲み、数多の船を海に沈めてきた。レスナたちの船を操るランツェもまた、かつてクヴァレルガの襲撃によって妻と仲間を失っていた。
途中に寄った島でノーヴァ神聖国の船団と合流したレスナたちは、ついにクヴァレルガと遭遇する。神聖国の聖戦士であるベップ・ジムロックとも協力し、レスナたちはクヴァレルガの討伐に成功する。ランツェは自らクヴァレルガにとどめを刺し、長年にわたる因縁にけりを付けるのだった。
ノーヴァ神聖国へ向けて再び出発したレスナたちは、神聖国に錬金術士がいるという話をベップから聞く。
