地中海は今日も快晴。風は追い風、海は穏やか。アタシ自慢の「ハニー・ビー号」もごきげんな様子。リュシアンはママの絵を眺めてるし、ディートリヒはアップルパイをほおばってる。いつもと変わらない風景にも、心が躍る――

…って思ってたのに、そんな日常を台無しにするアイツが来たの! アタシたちに敵対するマカーブル海賊団のボス、グラン・マカーブルが!
何年か前に初めて会ったとき、一目ぼれされちゃったみたいなの。でね、それ以来しつこく追いかけられてて…。いつもアタシたち毒蜂一派の力で追い払おうとするんだけど、マカーブルって頭は悪いのにすごく強いの。
どうしよう、困ったな…。アタシ、セビリアとロンドンでマカーブルに追っかけられたの。
でもね…



セビリアでは、ユミルカとニナっていうちびっこい女の子たちが、マカーブルを追い払うきっかけを作ってくれたの。二人が「どうしたの?」って話しかけてきたとき、いい考えが浮かんだんだ!
「そうだ、この街にいる航海者のみんなに助けてもらおう!」
集まってくれた人の中には、アタシたち毒蜂一派を知ってる人もいたの。さすが地中海の無名の大物ね!
ロンドンでも、みんなが助けてくれたのよ。中には「毒蜂一派に入りたい!」なんて言ってくれた人もいたの。嬉しくて、アタシなんだかムズムズしちゃったよ。



それでね、いっしょに戦ってくれる仲間を募ってから、いざマカーブルの待つ洋上へ! マカーブルの部下、クアドリ海賊団とフィオーリ海賊団をみんなで力をあわせて追い払うことに成功したわ! 助けてくれた人たちには本当に感謝してる! ありがとう!
それにしてもマカーブルのやつは、アタシと顔をあわせるなり「愛」だの「恋」だの、ホントに頭が悪い…。

街に戻ってみんなにお礼をしたかったんだけど、マカーブルから逃げてるときに積荷をぜんぶ海に落としちゃってて…。それに、お金もないし…。またまた困ってたら、セビリアのちびっこたちが「歌はうたえる?」だって。恥ずかしくてイヤだったんだけど、とうとう歌わされたの…。
でもね、なんだか大盛況! リュシアンもディートリヒも満足そう! アタシもすっかり楽しくなっちゃった!



セビリアでは、ちびっこたちのおじいさん、ホセさんのはからいでお家に泊めてもらうことになったの。ご飯もおいしかったし、あったかいベッドも嬉しかったわ。ロンドンでは、家に帰ってお母さんに料理を作ってあげたの。久しぶりにゆっくりできたかな。

それから、ちびっこたちに言っとくけどね、アタシは20歳! 「ポプリちゃん」じゃなくて「ポプリコットさん」って呼んでよね!!

 
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