オスカル・キースから手紙を受け取った一行。
トレドを訪ねると、彼は病床にあった。
てっきり中欧での投資を指揮していると思っていたが、流行り病に倒れてしまい動けないという。

そんな彼がわざわざ手紙を出した理由はただひとつ。
「私の代理に商会長とララさんが中欧へ向かってしまいました。
　どうにかして彼らを止めて下さい」

よりによってあの二人が向かったという事は、きっと中欧の都市は大混乱になっているはずだ。
おそらく、いくつかの都市は機能を失っているに違いない。

下手をすれば神聖ローマ帝国は、ここから崩壊する可能性すらある。
少なくとも事態が好転する事はないと断定しよう。

「偉大な帝国も、滅びる時は一瞬なんですなぁ」
ロッコが呟くと誰ともなくうなずくのであった。