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今わたしは合戦場に来ています。
ここは激戦となっている中翼先鋒の陣です。陣の後ろからは続々と徒党がやってきています。合戦場で死亡したけど、成仏して戻ってきた人達でしょうか? 陣の前からは幽霊となった人達がこちらに向かってきています。合戦場に一度しか入れない人達なのでしょう。現在安全なこの陣で転生を受けようとしていると思われます。
あ、あれは...先ほどまでこちらの陣営のエースとして暴れまくっていた陰陽師3人を擁する徒党の人達、いや幽霊達です。驚きました。一体何があったのでしょうか? ちょっとお話をうかがってみます。
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桜子:「ちょっとすみません。一体何が起こったのですか?」
陰陽:「まいっちゃったわよ。姿消してる徒党に襲われちゃってさ。速攻で陰陽3人全員が全体妖術かけようとしたら、相手の弓装備の神職が『乱れ撃ち』放ってきたの。あっという間に3人同時に気絶状態。ほとんど手出しできないまま、この有様よ。弓装備の神職がいるとわかってれば、戦い方変えたのに。 クヤシー!」
桜子:「そうか、神職って弓装備できるんですよね」
陰陽:「そうよ。道場目録の『弓術』は、道場目録全てを修得可能な侍以外では、神職しか修得できないわね」
桜子:「神職の弓攻撃って、そんなにすごいんですか?」
陰陽:「はっきり言って、陰陽師の天敵よ。そもそも『弓術』にある『乱れ撃ち』は、うまくいけば敵全員を攻撃できる技なのよ」
桜子:「はい」
陰陽:「飛び道具だから守護も護衛も効かないし、もともとが『敵全員を攻撃』する技能なので、『挑発』や『一所懸命』といった『目標選択制限』系の技能を食らっても影響がないの。その上、絶対に命中するし」
桜子:「なるほど、それで防御担当の人を飛び越えて矢が飛んできたわけですね」
陰陽:「それもさあ、神職が放った矢だからねえ、痛いのなんの」
桜子:「神職の矢って、特別なんですか?」
陰陽:「矢のダメージってさ、矢自体と矢に付いてる特殊効果と2つあるのよ。『ほう烙火矢』の火の属性効果とかね。神職だとさ、侍が作れる矢よりもさらに強力な『破魔矢』を作れるのよ。こいつの特殊効果がねえ」
桜子:「なるほど。矢を放った人の能力を元に、矢の特殊効果は発揮されますものね。ある意味お侍の放つ矢よりも神職の放つ矢の方が怖いかもしれません。幽霊状態なのにお答えいただき、ありがとうございました」
陰陽:「どういたしまして。それよりさ、今度からインタビューする時はもうちょっと周囲にも気を配った方がいいわよ」 |
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え? あ? エース徒党が倒されたせいでしょうか。ついさっきまで安全だったこの陣は、いつの間にか敵陣営の徒党に囲まれています。この陣の陥落も時間の問題かも知れません。良い機会なので敵陣営の方にもお話をうかがってみま...ちょっと! ちょっと待ってください! わたしです! 有馬桜子です! 今日はインタビューに...
合戦場では、敵陣営の人には名前が見えないことをすっかり忘れていました... |
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- 神職が修得可能な道場目録は「弓術」と「懐剣術」の2つ。
- 「懐剣術」には、敵への攻撃成功率を上昇させる「命中術」という技能があり、「弓術」との組み合わせの相性が良い。
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