背中に怪我を負ってしまった主人公。
その晩、訪ねてきた宗矩は手に膏薬を持っていて――。
- 宗矩
- 「……痛むか」
- 主人公
- 「いえ、大丈夫です」
- 主人公
- (手当に慣れているのかな? 本当に、思ったより痛くない)
- 宗矩
- 「髪をよけてくれ」
- 主人公
- 「あっ、はい」
- 主人公
- (……違う。これ、痛くないように塗ってくれてるんだ)
- 主人公
- (宗矩さん、冷たそうな感じがしてたけど、全然そんなことない……)
ぽつりぽつりと言葉を交わす。
背中に触れる手は迷いがなく、的確で、それでいて優しい。
- 宗矩
- 「…………跡が残らなければいいが」