現代から持ってきたメイクセットに阿国は興味深々。
主人公が化粧をしてあげようとすると、「逆がいい」と言われて――。
- 阿国
- 「……うん、いいね。ぐんと大人びた。道具も面白いけど、わたしの腕も悪くないんじゃない?」
- 阿国
- 「こっちは、紅みたいなものだったね。唇を軽く開いて、上を向いて」
言われた通り上を向くと、阿国の顔が目の前にある。その表情は真剣で、どこか凛々しくて――。
- 阿国
- 「おっと、少しはみ出したかな。悪いね、直すよ」
- 主人公
- (な、なんでだろう? 友達とメイクし合うなんて、初めてじゃないのに)
- 主人公
- (見つめられるとドキドキするような……)