CDドラマ対談「スタオケP×CDシナリオライター」
『金色のコルダ スターライトオーケストラ』CDシリーズのドラマ制作秘話について、さまざまなことを語っていただきました。
松:『金色のコルダ スターライトオーケストラ』プロデューサー/メインシナリオライターの松濤氏
鷹:CDシリーズシナリオライターの鷹村コージ氏
──まずはお二人の自己紹介をお願いします。
松:『金色のコルダ スターライトオーケストラ』でプロデューサー兼メインシナリオを担当しています。
「金色のコルダ(以降「コルダ」)」のシリーズは、『コルダ3』からメインで担当していますが、実はプロジェクトメンバーとしては『コルダ』から関わっています。
分岐の多いゲームをデバックしたり、整えたり……と思い入れの深い作品です。
天羽が主人公の得意じゃない曲を「演奏して」って言う時に月森が見本演奏をするというイベントなんて、育成状態で変わるのでとても細かい分岐なんですけれども一生懸命チェックしたのが思い出深いです。

鷹:シナリオライターとしてネオロマンスでお仕事させていただいたのは、確かイベント「ネオロマンス・フェスタ10」からで「遙かなる時空の中で(以降『遙か』)」と「ネオ アンジェリーク」のシナリオを担当しました。
そこからCDのシナリオなど、現在まで色々なタイトルに関わらせていただいております。
──お二人の出会いを教えてください。
鷹:たしか、ドラマCD『遙かなる時空の中で4~朝露(あさつゆ)の書~』のお打ち合わせで、2008年頃にコーエーテクモさんの本社に行った際、初めて松涛さんとお会いした記憶があります。

松:『遙か4』からですか、やっぱり結構長いお付き合いですよね。

鷹:アシュヴィンとリブの話のCDで。

松:あ、アシュが兵士に交じって豚肉焼いて食べてる話ですね! リブがくさりかたびら着てるって設定入れたような…。

鷹:そうです(笑)。

松:懐かしいなぁ…プロット作ってる時から結構気に入っている内容なんですよ。「コルダ」シリーズだと……?

鷹: CDは「金色のコルダ3~はじまりの夏~」から、イベントは「ネオロマンス・フェスタ 星奏学院祭3」からシナリオに携わっています。

松:『金色のコルダ3 AnotherSky』のテキストも一部担当していただいていましたよね。そう考えると本当に長いお付き合いですね。
──貴重なお話をありがとうございます。お二人の関係性がわかったところで、今回の『金色のコルダ スターライトオーケストラ』CDシリーズについて、各CDドラマの制作秘話を聞かせてください。
※ネタバレを含みますのでご注意ください。

① Start Up ~星奏学院~
──ドラマの内容はどうやって決めていったのでしょうか?
松:プロットラインをディスカッションで決めさせてもらう形にしました。 今回に限らずゲームの関連商品でお話しいただく際はよくやる手法なのですが、この下書きでやりましょうと完全に決め打ちでやるのではなく、鷹村さんやCD制作担当のみなさんとこんなことやったら面白いんじゃないか、と話し合って決めるんです。
今回のCDシリーズは、一番最初に各学校のカラーを前面に出していこうと決めました。
そこで、まずCDのトップバッターになる星奏学院では、「金色のコルダ」らしさをめざしましたね。

鷹:まずはスタンダードから。

松:そうそう。あまり奇をてらわず、まずはきちんと安心して楽しめる「コルダらしい」ものを見せたいというお話から始まりました。
改めて「コルダ」らしいってなんだろうねっていうところからスタートして、そういえば過去作でも合宿ってとても好評だった、星奏学院のみんなで合宿と言うのは新しい一面が見られるに違いない……と、話し合いの中からふわふわと出てきましたよね。
一方で…「コルダ3」以降のキャラクターは寮に住んでいる生徒が多くて、普段から寝起きをともにしているので、「実は私生活がだらしない」とか「歯磨き粉のフレーバーは何を選んでるのか」とかにたいして、あまりキャラクターは驚けない。今さらですから。初めて寝起きをともにして見られる意外性からのドラマに寄せてもなぁ…と思いました。あと、「少なくとも星奏学院は音楽や楽器から生まれるものにしよう」とも決めていました。

鷹:次に主軸になるキャラクターを決めるときに、朔夜にスポットを当てて、そのあと彼の内面を出すのに竜崎が上手くハマりそう、となったんですよね。

松:そうなんですよ、一作目だからまず朔夜ということで。ただ成宮も銀河も朔夜との関係性がゲーム中でもそれなりに描かれているので。竜崎と朔夜という少し新鮮な組み合わせにしています。竜崎は朔夜に対しては一目置いているところがあるので、竜崎の柔らかい一面、包容力も見せられましたね。
──印象的な制作エピソードや見どころを教えてください。
松:特に鷹村さんの筆が乗ってるなーと感じたのが、冒頭のシーンですね。あの導入については銀河から入りましょう、というザックリしたことだけ打ち合わせで決めていたんですけど、鷹村さんから上がってきた初稿が、とてもイキイキとした銀河で。いやー、ここまで膨らめてくれるとは思いませんでした。

鷹:例えばキャストイベントのシナリオだと、最初の第一声ってとても大事で。意外性をもたせてコミカルを落とし込むと、お客さんがすっとその世界に入りやすいので、意識して書いています。

松:あー、なるほど。

鷹:そういう意味合いでは、銀河は柔軟性が180%くらいあるので、どんなシーンでも活きる人だなぁと。
私は、シナリオを書く時は頭に映像が浮かんでから書くタイプなんです。
打ち合わせで出だしは銀河にお任せしようと決まった段階で、すでに絵が浮かんだので素直に書きました。
一方で苦戦した人もいて、CD一作目ということでキャラクターを探っていくのが一番大変でした。

松:成宮ですね(笑)。ゲームのシナリオチーム内でも成宮はちょっと難しいみたいで。3で冥加天宮は難しいって言われること多かったですが、笹塚と成宮は独特のクセがある人物かもしれません。

鷹:あとは…見どころというと……やはり…?

松:入浴シーンは絶対に入れようってオーダーがありましたね!

鷹:ですね。香坂の見せ場がほしいっていう話で、そこから展開したような……。

松:後半に朔夜と竜崎の情緒的な会話があるので、香坂はシリアス方面でたてるのではない形にしたい。そこまでは真面目に話していたはずなんですけれども…。香坂の魅力をストレートに表現しつつ親密さを出したい……「よし、お風呂だ」と。

鷹:(笑)。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

② Blaze Up ~常陽工業高校
──ドラマの内容はどうやって決めていったのでしょうか?
松:まず、このCDのシリーズでは、学校ごとの特徴をきちんと出そうと決めていました。ゲームでの二章と同じく、二作目の常陽工業でちゃんと個性を出すという意識で向き合わないと、高校生たちがなんとなくハートウォーミングな話をする…みたいな無難で差のないものになりそうだったので。では思い切って球を投げてみよう! ってコンセプトで話を進めていたら……本当に遠くまで投げたぞっていう(笑)。

鷹:喧嘩をする、彼らのそういうライフスタイルをしっかり描きましたね。

松:ゲームだと、立ち絵アドベンチャーゲームのゲーム画面では、乱闘のシーンって表現しづらいんですよ。仮に専用のイラストを用いて乱闘シーンを描いたとしても、静止画になってしまうんです。止まっている絵では、乱闘シーンをあまり表現できない。今作ではではアニメシーンでの表現もしていますが、尺的にも限界があるんですよね。

鷹:なるほど。

松:でもCDという媒体ならば、戦って、壁に当たって、そのまま失神してしまいました…などというものも表現できるから、相性はいいですよね。

鷹:確かにボイスドラマならではですよね。
──印象的な制作エピソードや見どころを教えてください。
松:二人のライフスタイルが見える形にしよう、じゃあ何をしようかっていう完全にゼロスタートから会議をはじめまして……。

鷹:ストーリーの形が見えない状態なので、それが話になるならないはまず置いておいて、思いついたネタをとにかく出していったんですが……(笑)。

松:このCDなどを作る部署である制作チームの方から「密室はどうか?」っていう案をいただきまして(笑)。「密室??」となったんですが、なるほど、そのお題、挑戦にのりましょうと。

鷹:挑戦に挑戦を重ねてしまったんですよね(笑)。

松:最初は、トライして無理なら別案にしよう…くらいで検討を始めたんですけれども、確かに尺といい人数といい、作劇的にも場所が限られてるっていうのはとても良いなと思いました。

鷹:最終的に、桐ケ谷に手錠をして、動きを抑えることになりましたね。

松:桐ケ谷をフリーにしておくと、話が進行しないんですよ。それに刑部はその状況にもっていく人ではない、その知的さも魅力のキャラクターですし、二人がずっと鉄パイプで殴りあっています…みたいなことでは困ります。なので、桐ケ谷の動きを封じたい、拘束したいという形になっていきましたよね。

鷹:手錠の前に、桐ケ谷を檻に、って案もありましたよね(笑)。

松:ありましたね(笑)。上から突然檻が降ってくるのはどうでしょうって言われて…、いや、面白いけどどんな仕組みですかって思わず聞いちゃいましたね(笑)。それは無理だし、「ボイスドラマで表現するなら手錠にしませんか? 効果音で表現できますし…」という話をしたら「手錠……」と皆さんハッとした様子でしたね。

鷹:あとは、ヤスや刑部との関係性で、桐ケ谷の男気溢れた、頼りがいあるところが見えた気がしますね。要所要所で兄貴っぷりを自然と出してくるので、いいなあと。スマートにフォローしているなあと。でもたぶん彼はフォローすると考えてやっているわけじゃなくて、自然に身についたものがすっとでているなあと思いました。

松:桐ケ谷の人徳ですよね。彼についていっている人生は相当に楽しそうだし、この人についていったのは間違いだったと思われないような、カリスマ・人間性が彼にはあると思います。

鷹:立ち位置は違いますけど、刑部も同じですよね。彼も自然と出ている感じがします。包容力というか、あの人もスマートに生徒をフォローするなあと。頭のいい人の立ち回りかたですよね。常工は刑部と桐ケ谷で両面からうまく生徒や仲間たちを支えているなあと。

松:そういうところがCDでよく出ている気がしますね。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

③ Show Up ~シルフ芸術アカデミー~
──ドラマの内容はどうやって決めていったのでしょうか?
松:常工の次なのですが、刺激的なものを続けるというよりシルフはコンサバティブに、安心して聞ける、ハートウォーミングな話を軸に考えていました。

鷹:アイドル生活密着みたいな案もありましたよね。ただそれだとビジュアルで描くほうが向いているなと。

松:コンサートシーンとかはね、どうしても…。CDに向いていて、キャラクターの魅力を出していくんだったら、もうちょっと裏の現場というか、会話劇で表現できる方向にもっていったほうがいいなと考えていましたね。それと、もう一つ、寺阪っていう人は、ゲームの四章の中でも重要な人物なんですが、その寺阪を話の真ん中に持ってきてます。寺阪中心の話を書くというより、寺阪への態度を書くことで、かえって凛と流星の優しさとか純粋さとか、そういったところが出していけたらなと。
──印象的な制作エピソードや見どころを教えてください。
鷹:ゲームでも描かれていましたけど、アイドル活動を努力してやっている姿って、どんな形でも胸をぐっと打たれてしまうんですけど、ゲームと違って第三者の視点からの、寺阪経由で見えると、彼らの努力が伝わりやすいなと思いました。なんていうんですかね、寺阪だと、親御さん目線というか。

松:ああ、わかります。寺阪を軸に置くことで、客観的に見えてくると言うかね。

鷹:彼が自ら動くときに、二人の姿を見て、応援しなきゃ! と、聞いてる方と気持ちが一緒になる感じになるんじゃないかなと思ったりしてました。

松:そうですね。わかります。あと、今回の狙いとしてはゲームで出していたキャラクターの個性を一度リフレインすることで、キャラクター印象を初見の方にもわかるように、知ってる方には定着するようにと思っていました。ハートウォーミングな話でも、印象が優等生的ないい子にはなりすぎないようにね(笑) 凛のワガママさもちゃんと描きつつ……ストイックさやいざという時に間違いのない安全なほうを取る確実性を求める感覚。一方流星の物静かながら大事なところで大胆な選択をする人間性、そこをもう一回このCDで表現してみようと思っていましたね。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

④ Cheer Up ~日向南高校~
──ドラマの内容はどうやって決めていったのでしょうか?
鷹:まずイメージとして、確かひぐらしが鳴いているような空気感がある話、でしたよね。

松:そうでしたね。そもそも日向南という学校が、アイドルや不良と違って、普通にありそうな公立の学校で、多くの人にとってちょっと懐かしい感じをもつ、そういうセンチメンタルさであったり、ノスタルジックな……。

鷹:それ、おっしゃってましたね。

松:そうそう。「ノスタルジーに浸れる」というのを一つの軸にしようと。ただこのCDで聞いている間、100%ノスタルジーに浸るようなしっとりした内容にすると、気疲れするというか……。キャラクターへの好感度が上がらないので、抑揚をつけようと思いました。キャラクターに対して親近感を持つような楽しい場面をいれこんでいきました。静かで暗い印象もある蒼司で明るい展開を見せたあとで、シリアス・センチメンタルなところにもっていくことで、ぐっと入り込めるような形にしようと思いました。あとはタイムカプセルですかね。

鷹:そこは序盤のうちから打ち合わせで出てましたよね。そこからどうしようか、と話を進めていきました。
──印象的な制作エピソードや見どころを教えてください。
松:まず、タイムカプセルは少年時代のノスタルジーを示すキーポイントとして出そうと最初から思っていました。その中に宝物があり、けれど高校生の蒼司にとっては今となっては宝物っていえないだろ、子供っぽいじゃないかと言いたくなる。高校生になったからこその冷めた価値観を最初に描きつつ、けれど高校生の彼らの中にも小学生の彼らの価値観であったりとか、本人は本人だな、みたいな概念を入れ込んでいけたらと思いました。

鷹:それで小学生男子の宝物なんだろうってなって……。

松:わかりやすく、カードゲームではないかなと。楽しげなコミカルなシーンで親近感を持ってもらおうと思ったので、どうせやるなら振り切ろうよと。役者さんにも振り切ってもらえるようなところまでやりきってもらおうと思っていましたね。

鷹:個人的には、拓斗が蒼司に先に行けっていうシーンは、書いているときに胸が熱くなりました。どちらも男らしいなと。幼馴染感がより強く伝わってきて、いいなあと思いました。あの先に行けって言葉は、受け取りようでは、少し切なさが感じられるかもしないのに、でも拓斗は逃がすな! 捕まえろ! と強い意志で言っていて、それを間違えずに彼の気持ちを受け取って走っていく蒼司っていうのが、なんかこう、いいなあと。

松:前半で柔らかく明るく作ってる分、後半は重めに作って抑揚を出す。そこも日向南の特徴ですね。あれは、かっこいい小学生男子の蒼司が見えますよね。

鷹:そうなんですよ! 二人の小学生の頃の関係性が見られるのがポイントですね。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

⑤ Step Up ~今帰仁高校~
──ドラマの内容はどうやって決めていったのでしょうか?
松:正直、今までの中で一番苦労した気がしますね。

鷹:そうでしたね~。決まらなかったですね。

松:いろいろなキャラクターがいたほうがいいだろうとは思っていました。六章の合宿のときに、いろんなキャラクターと触れ合って乙音が孤独でなくなる話をやっている、その特徴をリフレインしつつ、でも彼のいいところをいっぱい出してあげたい、という漠然とした概念だけは打ち合わせであっさり出てきたんですけど……。じゃあ何をやればいいのかという部分が、けっこう決まらなかったですよね。

鷹:そうでした。確か、最初はストーリーラインより先に、描きたいこととかやるべきこととかをパーツで出していった覚えがあります。篠森を出す、乙音の良さも出す、沖縄らしさも出すとか。そこから形を整えていきましたね。
──印象的な制作エピソードや見どころを教えてください。
鷹:最初はもっとシャーマニックな話にしたいってオーダーでしたね。

松:そうでした。「なるほど……確かにそれも乙音の特徴か……」と思いながら進めてたんですが……。

鷹:ただ、そこに篠森たちの関わり方がしっくりこなかったんですよね。

松:そうなんですよ。乙音単体ならば、ファンタジーを前面に出してもあるいは行けるのかもしれないんですけど、他の人は普通の現代人で『遙かなる時空の中で』の人たちではないので(笑)。ぱっと不思議なことを言われても、「うむ、それは呪詛だな!」みたいな受け取りはしてくれないだろうと(笑)。

鷹:確かに(笑)。

松:ファンタジックな存在が、ビジュアルで示せないためにわかりにくいのも難点でして……。かといって、見た目が想像つきやすいからといってファータの新キャラと乙音が交流して……みたいになると、他のメインキャラクターの登場頻度や見せ場がなくなってしまう……。

鷹:途中、悪霊をとりつかせる案とか苦悩の産物がありましたね(笑)。

松:ありました。悪霊だろうと桐ケ谷は桐ケ谷の声でしゃべるから、そうすればとりあえずメインキャラの出番はたくさんあるぞ、みたいな…。だんだん何をしたかったんだっけってなりましたよね(笑)。それで一回、原点に戻そうみたいな話になりました。このCDでは、あくまでも乙音の魅力を感じてもらえるものにしようと。乙音はふわふわ~っとしているけども、ブレない強さはある。相手の繊細な気持ちの機微のところに、傷つける形じゃなく柔らかくふれることができる。包容力というんでしょうね、三年生ならではという魅力というか。子供っぽくって無邪気なだけではない、大人びた魅力をきちんと描く形にしようというのを主軸にして、だんだん形が定まっていきましたね。

鷹:あと音楽の要素も入ってきましたよね。

松:そうそう。

鷹:コルダらしさですよね。

松:変な話、ちゃんとしようみたいな(笑)。

一同:(笑)。

松:迷走のあげく、原点に戻ると(笑)。

鷹:結構ちゃんと入りましたよね、音楽。

松:いやぁ、おばけと乙音の要素はいつか描けるかもしれませんが、今はちょっと難しいなと(笑)。

鷹:ちょっと早かったと(笑)。でも苦戦した結果、いい形に落ち着きましたね。篠森と銀河の関係性が出せたのがいいなと思ってました。

松:せっかく連れてくるんだから、ちゃんと意味のある形で出したいと思ってまして。篠森の真っすぐさとかも出てましたよね。

鷹:あれはすごく良かったですね。篠森さんの優しさ、自分に対しての厳しさ、可愛い面が見えたなあと。そういう面は銀河じゃないと出せないでしょうね。

松:ですね、さすがに生徒の前ではなかなか。あと桐ケ谷や凛のシーンも。登場してない他のメインキャラクターたちも想像できるように頑張ってみたつもりです。拓斗が朔夜から「もみゅぱん」をもらってみたとか、みんなそこにいる感が出せていたなら、中間地点の集大成というか、そういう感じがあるかなあと思いますね。

鷹:確かにCDシリーズのある意味区切りではあるので、そういう意味ではいい感じのまとめになりましたね。乙音と篠森が軸だとしたら、そのまわりの人たちの良さもうまいこと描くことができたなと思います。

松:それぞれの良さが上手く出せて、とても勉強になりました。本当、登場キャラ多い分シーンも細かくなって大変だったと思いますが、鷹村さんありがとうございました。
──最後に、CDシリーズのリリース記念メッセージをお願いします。
松:「金色のコルダ」は2003年からスタートした、17年経つ長いシリーズです。 その後、色々な形で展開し、『スターライトオーケストラ』というスマートフォンアプリならではのものを作り、また一つ雰囲気の変わった新しいところにきたなと、このCDを見ても改めて思う次第です。
スマートフォンアプリというのは、日々新しいものが見えてくるところが一つの大きな魅力だと思うので、このCDシリーズもどんどん継続して伸びていってほしいですし、ゲームの方も毎月新しいものが見られると思うので、ぜひ遊んでいただけると嬉しいです。

鷹:こうして新しい「コルダ」に関われることができて光栄に思いますし、改めてぴんと背筋が伸びております。
今までの「コルダ」シリーズもそうですが、『スターライトオーケストラ』も、新しい面がありつつも「コルダ」から脈々と受け継いだ、熱いものが音楽によって紡がれる絆を感じています。
それをCDのシナリオを通して感じていただけるよう、今後も精進していきます!