天羽:県の音楽祭についての突撃リポート特別編、ついに最終回! 今回はなんと理事長のアポが取れました。それでは、さっそくお名前からどうぞ。
吉羅:吉羅暁彦(きら あきひこ)だ。星奏学院の創立者の曾孫で、学院のOBでもある。今日は手短に頼むよ。
天羽:お忙しいところありがとうございます。普段はこういう取材は受けないんですか?
    吉羅:それなりの利益があれば引き受けてもかまわない。学院経営における広報の重要性は認識している。
天羽:徹底した合理主義ですね。若くして理事長の地位についたのも納得です。となると、今回、取材の許可をくださったのは、音楽祭を重視しているからでしょうか?
    吉羅:その通りだ。音楽祭での生徒の活躍は、学院の音楽教育の水準の高さを裏づける材料になる。
天羽:ええと…音楽を楽しもうとか、そういったことは…?
     吉羅:さて、なんと答えたものだろう。音楽のとらえ方は人の数だけ存在する…とでも言っておこうか。
天羽:.…うまくはぐらかしましたね。では、次の質問です。音楽祭に普通科からヴァイオリンで参加する女子生徒がいますが、彼女のことをどう思いますか?
     吉羅:普通科の、しかも音楽経験がほぼ無いに等しい生徒だったね。彼女が活躍してくれれば学院のいい広告塔になる。期待しているよ、そういう意味においてね。
天羽:ひゃ〜、利用する気満々…?
     吉羅:私――学院は彼女の才能を伸ばし、彼女は才能を開花させることで、学院に報いる。利害は一致しているんだ。何か問題でも?
天羽:むむ、反論できない…。それでは、気を取り直して。他に注目している演奏者はいますか?
     吉羅:この音楽祭には私の従弟も出ているが――理事長としては、学院からの参加者に押しなべて期待しているよ。金澤先生に一層の指導を頼むとしようか。
天羽:理事長は金澤先生の後輩でもあるんですよね。それでは、最後に、音楽祭を楽しみにしているみなさんに向けて一言お願いします。
     吉羅:学院は良質な教育の機会を提供する。私もまた、意欲のある生徒に力を貸すのにやぶさかでない。ぜひとも有効活用してくれたまえ。
※インタビューは、「100万人の金色のコルダ」の設定に基づいた内容となっています。