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響也と言い争う律を見つけたかなで。
話を聞いてみると、律が響也の授業態度について注意をしていたようだ。
響也「これは全部、夢なんだろ。だったら今、必死にやったって無駄じゃねぇか」
そんな響也の態度を注意する律。
「お前がサボっている間にも、他の者は多くのことを学んでいる。
このままでは、引き離される一方だぞ」
響也は部屋を飛び出してしまい、後には律だけが残される。
響也のことを、律はずいぶん気にかけているようだ。
「これでも一応、兄だからな。
以前はお前のことも心配だったが、今のお前に不安はない」
かなでのことは心配ない──
律に信頼されるのは嬉しいことのはずなのに、
どこかモヤモヤしてしまうかなでなのだった……
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マルトノの店でかなでが店番をしていると、大地がやって来た。
魔法の品物がたくさん並ぶ店内を見て回る大地。
大地「このジェリービーンズは──?」
それは、恋の魔法がかかったジェリービーンズだった。
食べると、自分の想いに素直になれるらしい。
しかし、魔法のアイテムは高価だった…。
魔法のかかったものはあきらめて、普通のジェリービーンズを買った大地。
ふたりは、ジェリービーンズを食べながら街へ散歩に行くことに。
大地「これに魔法がかかっていたらよかったのに。」
どうやら、大地は魔法に興味があるようだ。
大地「──でも、ひとまず今は、君とのデートを楽しむ時間が欲しいよ。
魔法を使わなくてもいいから、叶えてくれるかな?」
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街の広場でなんだか不機嫌そうな志水と出会った香穂子。
昼ご飯を食べそびれてしまったらしい志水と一緒に、
ドーナツ屋さんに行くことに。
「…ドーナツ、おいしいですね。
先輩と会わなかったら、夕飯まで食べるのを忘れてました」
どうやら、広場で作曲をしていたところ、
志水を気に入ったファータたちの着せ替え人形にされていたらしい。
「この世界にも、うちの姉みたいに人に
服を着せて楽しむ妖精がいるんですね……」
そんな志水にも、気になった衣装があったようで──
「先輩が白いドレスで、僕が白いタキシード……いいかもしれません」
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広場で偶然出会った衛藤と香穂子は、一緒に街を回ることに。
ファータの魔法アイテムを見つけて、写真を撮ろうとする衛藤。
しかし、今はケータイを持っていない…「写真に残せないのって、思った以上に残念だな」
そんな時、ふたりはボディペイントの店を見つける。
何でも描いてくれるという店主に、おそろいのデザインを入れてもらうことに。
「寮に帰ったら、このおそろいのボディペイント、突っ込まれないか?」
最初は少し照れくさそうな衛藤だったが──
「ま、いいか。 写真ならぬ、ボディに刻む思い出作りってのも。
『一夜の夢』の中でくらいはしゃいだってバチは当たらないだろ」
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休憩がてら、街に出てきた七海とかなで。
七海は現実世界での音楽コンクールの優勝と
恩返しをかねて、かなでに何か贈るという。
「あっ、見てください。あのお店、ミニブーケを売ってますよ」
好きなブーケを選び、いざ支払おうとすると──
「えっ!? そんな……これじゃBPが足りない……」
ブーケを買えずしょんぼりする七海。
「あの、今度絶対に改めてお祝いをしますから。待っていてください」
決意を新たにする七海だった。
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港にあるレストランに入る天宮を見つけたかなで。
天宮は妖精の料理を食べるのだと言って、かなでにも勧める。
「……ああ、でも、1つ気をつけて。妖精の食べ物を食べすぎると、
人間の世界に戻れなくなると言われているから」
「まあ、僕は戻れなくなっても問題ないけど」
なぜ元の世界へ戻れなくてもいいなんて言うのか、と尋ねるかなで。
「どうして……か」
天宮は店のピアノを借りて演奏をする。
店で食事をしていた妖精たちは、天宮の演奏に拍手を送る。
「ここでは、感情や色のない僕の音楽でも必要とされるんだ。
この世界に求められている……そんな気がするよ。……ねぇ、君もどう?
妖精になってこの島に残らない?」
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学園長のリリの手伝いをさせられる土浦と香穂子。
生活の注意事項を書いた紙を寮中に貼って回ったり、談話室の片付けをしたり。
仕事を終えたふたりは、食堂でジュースを飲んでひと休みすることに。
「なんか、こういう学校でやらされるいかにもな共同作業って
ぶつくさ言いながらも熱中しちまうよな」
土浦は、ふたりで過ごした時間を振り返る。
「……それに、相手がお前だったのもよかったよ。
時間忘れて、楽しく感じた。お前っていいパートナーなんだよな」
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楽器店のウィンドウの前で火積と出会ったかなで。
どうやら、店内にある珍しい楽器を眺めていたようだ。
「ありゃあ……金管なんだろうが、見たこともねぇ楽器だな。
さすが、音楽の妖精の島だ。まるで楽器の博物館じゃねぇか」
火積の、音楽を愛する気持ちが伝わってくる。
……と、何かを見つけた火積が店に入っていく。
戻ってきた火積の手には、ファータのマスコットがついたストラップが。
「こいつが連れてってくれって言ったみてぇに感じてよ。
……もし迷惑じゃなければ、もらってくれねぇか」 -
フェスタで賑わう大通りを、仲間を探して歩く香穂子と冬海。
「日野さん! 冬海さん!」
香穂子たちを発見した加地は、ふたりのもとに駆けつける。
「よかった、会えて。
ふたりとも無事だね」
見知らぬ土地での再会を喜ぶ加地。
「もし君がここに来ていたら、絶対見つけなきゃって思ってたけど。
君が現れた瞬間、砂漠でオアシスにたどり着いたように
視界が開けて……」
再会の喜びを噛みしめた加地は、さっそく仲間探しに協力する。 -
お世話になっているファータの代わりに店番をすることになったかなで。
そこへ、土岐がやってくる。
「ふふっ、あんたが手伝ってるなら、なんか買わんとあかんやろ?」
土岐が店内を見ているうちに、お客さんがやって来る。
お客さんの求める商品は棚の上。
「ああ、あんたじゃ手が届かへんわ。待っとって、今、取ったる」
手慣れた様子で接客を手伝ってくれる土岐。
土岐目当ての客が増え、店は大繁盛するのだった──。
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ハルと七海が一緒に練習しているところを見つけたかなで。
「──宗介、今の部分はもう少し
抑えて弾いたほうがいいんじゃないか?」
曲の解釈について意見をぶつけるハルと七海。
「次の授業で、どちらの解釈が聴衆の心をつかむか勝負しよう」
それぞれ自分の解釈で演奏すればいいという新の意見を聞き入れたふたり。
そんなふたりを、懐かしそうに見ている新。
七海「中学までは、放課後、ふたりで解釈についてよく話し合ってました。
……懐かしいなぁ」
新「オレもオレも~! 学校が別々なの、すっごく残念!」
ハルの新たな一面を見られたひと時だった。 -
放課後、街に出かけた東金とかなでは、路地裏で占い師のファータに声をかけられる。
占い師「お兄さんの心の中には『影』があるだろう?」
東金には、何か「心残り」があるという。
寮への帰り道、占い師の言葉を気にするかなで。
「お前が気にすることじゃない」
だが、東金には心当たりがあるようだ。
「……ただ、1つだけ思い出した。俺は如月に勝てなかった──
まあ、思い出したところで、いまさらどうにもならない」
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新に誘われて街にやって来たかなで。
「妖精の島でデートだなんて、絶対ファンタスティックでしょ」
迷子にならないようにと手をつないで歩く2人。
路地に入ると、そこにはちょっと怪しげな露店が並べられた品物の中に、音符モチーフのペンダントを見つけた。
露天商「そのペアのペンダントはね、持ち主ふたりの心がひとつになると、奇跡が起きるんだよ」
ふたりで演奏したBPで、ペンダントを手に入れた。
「はい、こっちは君の分。もうひとつはオレの分。また、こうしてふたりで、ラブラブで街をぶらぶらしよう。ね、約束!」
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島内を調査する吉羅と香穂子は、にぎわう屋台を見つける。
イタリアのライスコロッケ・アランチーニを売っているようだ。
2人で演奏して稼いだBPで買ってみることに。
「まあ、こういう揚げ物の類は若者向けだろう。あと10年もすれば胃が
もたれて敬遠したくなる」
そういう吉羅に、ひと口だけでもと勧めると……
「……うん? 意外と平気だな。むしろ……いくつでも入りそうだ」
そう言ってアランチーニを買い足す吉羅は、高校生の体を楽しんでいるようだった。 -
街を歩く香穂子の足下に、リンゴが転がってくる。
「ごめん。悪いけれど、足下のリンゴ、拾ってくれないかな?」
そこに現れた王崎。
散らばったお店の品物を拾う手伝いをしていたらしい。
傷ついてしまったリンゴは売り物にならない。
落ち込むリンゴ売りの女性に、王崎は声をかける。
「だったら、おれが買いましょうか?」
王崎の優しさに感心する香穂子。
「ハルモニアだろうと、元の世界だろうと、同じ。
困っている人がいたら、助けてあげなくちゃ」 -
朝早くに目が覚めた香穂子。
水を飲みにキッチンへ向かうと、そこには金澤の姿が。
「根がじじいだからな。早く目が覚めちまったんだよ」
しかし、その額には汗が滲んでいる…。
「はあ……。こんな嘘じゃお前さんはごまかせん……か」
悪夢を見たという金澤は、自分の過去への後悔を口にする。
「今の姿だった高校時代まで時間が戻せるのなら
もう二度と間違えないのに……」 -
ふたりで街に出かけた響也とかなでは
妖精の魔法道具を売っている路地裏の露店を見つける。
響也は店先に並んでいたアンティークの時計に目を留める。
露天商 「おっ、いいものに目をつけたね。それは『時を操る道具』だよ」
「……そんなわけあるか。時間を動かすだなんて、うさんくさすぎだぜ」
露天商 「まあ、信じるも信じないも自由だがね。すべては使い手次第……。
だが、望みを叶えたいのなら踏み出すことも必要じゃないかな?」
「………………。」 -
広場で月森と出会った香穂子と冬海。
月森は花冠の入ったかごを持っている。
「演奏のお礼にと子どもがくれたんだ」
彼の「歌」を聞きたいと集まってきたファータの子どもたちが
かご一杯に花冠をくれたのだと月森は説明する。
「次から次へと渡されて困惑した。
お礼だということはわかっているつもりだが……ファータは、
なんでもやりすぎだな。子どもでもそうだ」
月森は自分が持っていても仕方のないものだからとふたりに花冠を差し出し、
もらってほしいと頼む。 -
カンパネラ学園の敷地の奥に広がる緑の丘。
ヴァイオリンの音色に誘われて丘を登ったかなでは、
そこで演奏していた冥加と時間を忘れて音を重ね合わせる。
演奏を追えた後、冥加が気づく。
「 ──うん? なんだ、貴様。糸がまとわりついているぞ」
金色に輝く糸が、かなでの薬指にいつの間にか巻き付いている。
「 ……金色の……糸? これは──?」
冥加は自分の薬指にも糸が巻き付いているのに気づく。「……! 同じ糸が俺にもまとわりついているのか。なんだ、これは」
冥加は金色の糸を容赦なく引きちぎろうとするが……
「……! 切れない……だと?」
金色の糸は静かに光り続けている。
「まさか、これも妖精の魔法の1つか?」 -
八木沢と一緒に街に出かけたかなで。
お菓子屋の店頭に並んだ菓子に八木沢が目を留める。
「おや?あそこにあるのは……見てください。
あれはマジパン細工のようですね。
その横にあるのは……ブラウニーでしょうか」
八木沢はかなでにブラウニーをおごってくれる。
どうやら八木沢はお菓子に詳しいようだ。
「僕の実家は、仙台で和菓子屋をしているんです」
かなでは、会ったことはないが自分も仙台に親戚がいると告げる。
「そうですか、では、ご親戚の方に会う機会があれば
ぜひ一度、お立ち寄りください。
ふふっ、あなたのご親戚を通じて、
接点ができましたね」 -
人波に押し流されそうになった香穂子を助けた柚木。
柚木はそのまま、香穂子と手をつないで一緒に街を回る──。
「……どうした? さっきからずっと上の空だな」
手を離してほしい、という香穂子の頼みを柚木はにべもなく拒絶する。
「それはできない相談だな。離れて歩いていたら
お前は、すぐに人混みに流されるだろう ……納得したか?
だったら、早く慣れて街歩きを楽しむんだな。
せっかく、お前の好きそうな店が
あちらこちらにあるんだから」 -
街に遊びに来た火原と香穂子。 ふたりはファータに誘われて、
広場のダンスに参加することに。
「あー、楽しいなぁ」
香穂子と手を繋いで踊りながら、
火原はハルモニアへの思いを口にする。
眠っている間に、突然連れてこられた島ではあるけれど、
この島の雰囲気は嫌いじゃない、と言う火原。
「気のいいファータがいっぱいいて、
みんな、音楽が 大好きで……。
難しいこと考えなくても歌や音楽ひとつで
誰でも輪の中に入れるんだもの」