私と師匠は町に戻ってきた。装備を修理するのではなく「新しい装備を買おう」ということになった。
早速、鍛冶場の店屋、「刀剣屋」や「鎧屋」を覗いてみたのだが...た、高い。今の自分の所持金では手が出そうにない。思わず師匠を振り返ると、師匠は微笑んでいる。なんだ、初めからわかっていたのか。
師匠:「売られている商品の値段、覚えておいて」
師匠はさっさと雑貨屋の方へと向かった。途中、何人かの鍛冶屋が「売却品アリ」と表示を出している。...安い! さっき店屋で見た値段の半分以下だ。そのとき師匠は「雑貨屋」で「竹」2本と「研草」3つを買っていた。
師匠:「竹槍を作ってあげよう」
そう言って鍛冶場の炉の前に立った師匠は、1本の竹槍を作成した。
師匠:「そこの槍屋で竹槍を買ったらいくらになる?」
あれ?さっき購入した材料を全部集めても31文。なんと3分の1の値段だ。
師匠:「安いだろう?」
驚いている私を見て、うれしそうに語りかけた。
師匠:「装備品はいつかは買い換えなくちゃならない。だがな、刀剣屋や鎧屋で売っている品の値段を覚えているか?」
 :「はい。高いな、と...」
師匠:「うむ。ところがだ。今作った竹槍はどうだ?」
 :「驚きました。作るととても安いんですね。あ...」
そうか、値段的に店屋の品はかなり値が高い。だから鍛冶屋が材料を集めて作ったものが必要とされるのか
槍の値段
師匠と明日檜 師匠:「それに店屋で売っているものは皆同じ性能、つまり標準的なものになる。我々が作ると能力などに応じて高性能のものができたりするんだ。当然そういった品は喜ばれるね」
鍛冶屋という職業がどういうものなのか、ようやく実感できるようになってきた。
師匠:「ものを作って人の役に立ちたい。そう考える人には鍛冶屋は正にうってつけの職業だよ。いい職を選んだね」
 :「はい!」

師匠の銘の入った竹槍を握りしめて、私は力強くうなずいた
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