頼定出奔の件はちょっとした話題になっていた。彼を慕う数人も行動をともにしたそうで、それはつまり合戦の主力部隊が当家から抜け、その分がそっくり敵国に上乗せされたということだ。「なぜ?」私には頼定の出奔の理由が判らなかった。「なんとなくだが、想像はつく」文吾はそう言っていたが、それ以上は語らなかった。
ある日、頼定と徒党を組んだことがある人から事の真相を聞く機会を得た。 「より強くなるために」 より強くなるため? 徒党を共にしていた文吾がそれを聞いて皮肉な笑みを浮かべている。
文吾:「やはりな。とんだ喜劇だ。まるで昔のオレじゃないか」
私 :「...徒党、と言っても、あの人にとっては結局自分のための手段でしかなかった、ということなんでしょうか...」
あこがれとして燦然と輝いていた頼定の姿が、私の中で崩れていった気がした。以前の私であれば途方に暮れていたことであろう。だが今は違う。私の中には目標とすべき理想の侍像がすでにできあがっていた。
私 :「文吾さん、挑みましょう、頼定さんに。自分たちがとった侍の道の誇りにかけて」
文吾は不敵な笑みを浮かべてうなずいた。 それからの我々は忙しかった。ある日は修行のための狩り。またある日は模擬戦を道場で。強力な装備をそろえ、身分を上げるために勲功を貯め、と、山のようにあるやるべきことをこなしていった。
そして、時は来た。再び敵国と合戦が行われることとなったのだ。 |
|
|
- 道場では「剣術指南書」「弓術指南書」といった武器の種類に対応した系統の目録を手に入れることができる。
- 各武器の目録には各武器に応じた技能が存在する。
|
|
|