かつて、広大な海の向こうには“世界の果て”があり、その海域には決して立ち入ってはならないという迷信が、船乗りたちの間で根強く信仰されていた――そんな時代。
怖気づく船員たちを罵倒し、神を冒涜しながら、嵐の夜に岬を越えようとした1人のオランダ人がいた。神の怒りを買い、呪いをかけられたそのオランダ人は、永遠に死ぬことが許されず、“最後の審判”まで幽霊船に囚われ海をさまよい続けることになる……。
幽霊船“フライング・ダッチマン”号、さまよえるオランダ人の伝説です。
これは、実在のオランダ人船長、ヴァン・デル・ヴェッケンをモデルにしたエピソードとされますが、船長はヴェッケンではなかったとする説もあります。
また、幽霊船が誕生することとなった理由も様々で、例えば、
・船員たちが、積み込んだ財宝の独り占めを目論み、殺し合いを始めた
・船内で発生した疫病のため、どこにも寄港させてもらえなかった
・あるオランダ人貴族が、精霊を相手に永遠に終わることのない魂を賭けたサイコロ博打をしている
といったように“さまよえるオランダ人”の伝説には諸説あります。この謎めいた幽霊船の伝説は、人々の好奇を引くだけでなく、海の恐ろしさ、航海の困難さを示す教訓として、大航海時代のヨーロッパに浸透していきます。
歴史上においても、幽霊船“フライング・ダッチマン”号の目撃例は多く、イギリス国王ジョージ5世が海軍時代に記した航海日誌に目撃談を残していたり、20世紀になってからも、喜望峰沖などで紫色に妖しく光る船の目撃例が散見され、各地に“フライング・ダッチマン”号の言い伝えが残っています。
今回のLiveイベント「幽霊船奇譚〜伝説のフライング・ダッチマン号を追え!〜」は、大航海時代をテーマにした本作ならではの切り口で、航海者の皆さん、1人1人の幽霊船奇譚をご堪能いただければと思い企画しました。映画やオペラの題材として現在にまで残る「さまよえるオランダ人」の伝説。今回のイベントでは、皆さんの手で、どのような物語が綴られていくのでしょうか。私たち、開発スタッフも今から楽しみにしています。
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