インドへの航路開拓、新大陸の発見――。
わずか数年の間に、世界は急速に拡がり、彼の地よりもたらされた新発見の数々は、貴族の方々の異国趣味を大いに刺激しました。

新発見への報酬は、みるみるうちに額を吊り上げ、冒険者を志す者たちは増える一方…。いつしか冒険者たちは、自らの名を上げるため、他の冒険者と発見の優劣について議論を戦わせるようになりました。こうして、冒険者たちの間に“論戦”の一大旋風が巻き起こったというわけです。

論戦についてお話しする前に、まずはカードの基本的な見方からお教えしましょう。
こちらは、すでにあなたがたもよくご存知の発見物カード。
各カードの左上の部分には、発見物の価値に応じた“ポイント”が書かれています。
論戦は、基本的にはこのポイントの合計値によって、勝負が決まります。
そして、その左にある小さな絵は、「歴史遺物」「生物」「地理」など、発見物の分類を示しています。
また、カード外枠の色にもご注目ください。こちらは発見物の種類により定められた、カードの“属性”を示しています。属性とその色には、次の4種類があります。
この属性こそが、勝敗の行方を思わぬ形で左右することがあるのです。
詳しくは、後で述べることに致しましょう。

論戦を行う前に、あなたがたはまず、手持ちの発見物カードから30枚を選び、カードの束を作っておかねばなりません。この束を“デッキ”といいます。論戦のコツが掴めぬうちは、自動でデッキを組める“ランダムデッキ”を使うのもよいでしょう。
デッキを組み終えたら、論戦を申し込みます。まずは他の航海者に“論戦申込”コマンドを実行してください。
ただしこの時、自分も相手も“論戦許可”の設定を“許可”にしていなければ、申し込むことはできません。模擬戦などと同じ手順で、あらかじめ“状態設定”を変更しておくのです。

申し込みが承諾されたら、いよいよ論戦開始です。ここで、論戦の基本的なルールについて、説明しましょう。
論戦は、互いに3枚のカードを順に場に出し合い、その3枚に書かれたポイントの合計で勝敗を決します。この1回の勝負を“1セット”と呼び、次のように進行していきます。
こうして、どちらかが7セット中、4セットを先取するか、あるいは全7セットを終了するまで、論戦は続くのです。


上記の事例では、単純なポイント合計のみで勝敗が決しています。ですが、実戦でこのようなことは稀でしょう。先ほど述べた“属性”が、勝敗を分けることになるのです。 セットを繰り返していく中で、色付きの枠や分類の絵が表示されることがあります。これを“ボーナス属性”といい、そのセット中に同じ色や分類のカードを出すことで、ボーナスポイントが獲得できるのです。しかし、このボーナス獲得の裏には大きな落とし穴もあります。

同じ色や分類のカードが4枚揃い、“属性チェンジ”が発生した場合、ボーナス属性が変化し、あなたが見込んでいたボーナスは入りません。こうなれば、ポイントのみの勝負となり、不利になるのは必定。
ですが、逆に、相手がボーナスを狙っている場合は、あなたが属性チェンジを起こすことで、阻止できるというわけです。
論戦中、あなたはボーナスを巡り、相手と虚々実々の駆け引きをすることになるでしょう。

場に出された2~3枚のカードが、特定の組み合わせになっている場合に、“コンボ”と呼ばれる現象が起こり、大量のボーナスポイントが入ります。また、コンボの中には、その場の状況を一変させるような特殊なものも存在しているとのことです。 上記の例を見てもわかるように、コンボの組み合わせは、歴史学上や地理学上、生物学上などの共通点で結ばれています。
冒険者としての知識と勘を頼りに、強力なコンボを数多く探り当て、自らのデッキに仕込むことができたならば、あなたの論客としての地位は揺るぎないものとなるでしょう。


各国本拠地に住む有名人の主催で、月に1度開かれる論戦大会。それが“アカデミー”です。この場にて冒険者たちは、日頃の冒険の成果を世に問うべく、他の冒険者たちと幾度となく論戦を繰り広げます。アカデミーで論戦に勝てば、大量の冒険経験を獲得できますが、敗北すればデッキの中から1枚のカードを失うことになります。
無数の論戦を勝ち抜き、世界一の座を手に入れるか。あるいは、多くのカードを失い、再び発見の旅に出ることになるか。
あなたの冒険者としての真価が問われることになります。

なお、ここで1つ忠告をしておきましょう。アカデミーでは毎回、デッキに入れるカードの合計ポイントに上限が定められています。そのため、あなたは限られたポイントの範囲内で、デッキを組まなければなりません。 安定した戦いを展開するため、程々のポイント数のカードを揃えるか、あるいは多少の勝敗の波は覚悟で、高ポイントと低ポイントのカードを組み合わせるか。はたまた、属性ボーナスやコンボで、華麗なる逆転劇を狙うか…。 アカデミーでの勝負は、デッキを組むときから、すでに始まっているというわけです。

――私から教えられることは、以上です。 腕利きの航海者として名高いあなたのこと。これだけ覚えておけば、一人前の論客として名を馳せる日もそう遠くはないでしょう。 そのとき、あなたと私で互いに手加減なしで、堂々と論を戦わすことができるのならば、これに勝る喜びはありません。いつの日かの再会を楽しみにしています。

ジュリアン・クラレンス
「カイエンヌ開拓地にて認めし、ある冒険者への書簡」

ハルーン なあ、ヴィットーリア。オイラの部屋ってどこなんだ?
ヴィットーリア ふふ、ついてくればわかるわ。
ヴィットーリア 着いたわ。ここで待ってて。
ハルーン でも、ここって銀行だろ? まさか、オイラ金庫に入るの?
ヴィットーリア そんなわけないでしょ! ここで、部屋の購入手続きをするの。
ヴィットーリア この子のために、アパルタメントを買いたいのですけど。
銀行員 承知いたしました。500万ドゥカートになります。
ハルーン …そ、そんなに高い金、オイラ払えないよぉ!
ヴィットーリア 大丈夫。私が出してあげるわ。あなたの今後の働きへの先行投資ね。
ハルーン でもさ、部屋代ってことは、毎月払うんだろ? オイラ遠慮しとくよ。
ヴィットーリア 大丈夫! アパルタメントは1回買ったら、家賃はかからないんだから。
ハルーン ホッ、そうなんだ。
アパルタメントは、入居者の合計レベルが30以上、合計名声が5000以上に達していないと購入できません。
ヴィットーリア さ、ハルーン。今日からここが、あなたの家よ。
ハルーン うへぇ~。広場の前の一等地かよ! 守衛さんまで立ってるし。
ヴィットーリア 守衛様、オルセオロ家のヴィットーリアと申します。先ほど手続きしたハルーンの部屋へ案内して頂きたいのですが。
守衛 ふーむ、ヴィットーリア様ですか。申し訳ありません。入居者のハルーン殿が訪問を許可しておられないので、ご案内いたしかねます。
ヴィットーリア えっ?! どうして?
ハルーン あっ、悪い悪い! オイラのほうで許可出すの忘れてたみたい。
ヴィットーリア もう。びっくりさせないで。
入居者が「状態設定」で訪問許可にチェックを入れると、フレンド、艦隊メンバー、商会メンバーがアパルタメントを訪問できるようになります。

ヴィットーリア ここが、ハルーンの新しい部屋ね。
ハルーン すげえや! ほんとにいいのかよ、こんな部屋住んじまって…。
執事 お帰りなさいませ。ハルーン様。
ハルーン うわっ! 出た!
ヴィットーリア おじゃましてますわ。執事様。
ハルーン なぁ、ヴィットーリア。このオッサン誰?!
ヴィットーリア アパルタメントで、あなたをお世話してくれる執事様よ。この方にお願いすれば、大切な持ち物を色々部屋にしまっておくことができるの。
ハルーン ふーん、そいつは助かるぜ。よろしくな! ヒツジさん!
執事 ヒ…、ヒツジではなく、執事にございます。
収納コマンドを使うことで、「アイテム」「船部品」「装備品」「書類」「交易品」それぞれ2種類ずつ、無料で執事に預けることができます。
ハルーン ところでさ、そこにあるヘンテコな置き物、アレなんだ?
ヴィットーリア マネキンね。この人形にお気に入りの服を着せておくことができるのよ。
ハルーン へ~、どれどれ…。
ハルーン ジャーン! 実はこいつ、オイラの生き別れた親父の服なんだ。こいつを置いとけば、1人でも寂しくないかなって思ってさ…。
ヴィットーリア ええ…、そうね。でも、元気出して。いつか会えるわよ、きっと。
ハルーン …うん、そうだよな。
執事 コホン。ところで、ハルーン様。1人住まいが寂しいのでしたら、副官を雇って、留守番でもさせてみてはいかがですかな?
ハルーン 副官かぁ…。さしずめ、オイラの助手ってとこだな。うーん…。
ハルーン デヘヘ。親父なんかより、そっちの方がいいかもな。
ヴィットーリア どうしたのよ、ハルーン。急に鼻の下なんて伸ばしちゃって。
ハルーン あっ! いやいや、なんでもない! なんでもないったら!
執事に依頼することで、室内に副官を配置することができます。これに伴い、航海に連れて行く副官2名と、留守番の副官で合計3名を雇用できるようになります。

ハルーン それにしてもこの部屋、見慣れてくると、ちょっとばかり殺風景な気がしてくるな。家具とか置けないの?
ヴィットーリア その点は心配しないで。近い将来、航海者たちの作った家具をこの部屋に自由に配置できるようになるらしいわ。材料を集めてくれば、部屋自体も、もっと広く豪華に作り変えることもできるようにもなるらしいの。
ハルーン そうなんだ! よーし、オイラお金貯めて、この部屋を元首公邸に負けないくらい、ゴージャスにしてやるぞ!
ヴィットーリア ふふ、その意気よ。がんばってね、ハルーン!

ヴィットーリア・オルセオロ「サロンの記録」より