仙台に引っ越してきてしばらく経った日の朝。
かなではいつもより早く目が覚めてしまう。
ぼんやりしながら、顔を洗い、廊下に出ようとした、その時――。
――ドンッ。
いきおいよく誰かにぶつかってしまった。
顔を上げると…。
長嶺「失敬。怪我はありませんか?」
目の前にいたのは袈裟姿の青年。
長嶺「ところで、君は何者ですか。いつの間にか、うちに入りこんでいるなんて」
長嶺「浄化されていない浮遊霊……というわけでもなさそうだけれど」
いきなり浮遊霊扱いされてしまったことに、かなでは驚きを隠せない。
そんなかなでの様子を見た青年は、楽しそうに微笑を浮かべるのだった。