朝まで練習するという火積に、温かいスープを差し入れようと練習室にやってきたかなで。
練習室の中をのぞくと、熱心に練習をしている火積の姿が見える。
火積(………こんなんじゃ駄目だ……)
  (もっと…思ったとおりの音が出せるようにならねぇと……)
熱心に練習する火積の邪魔をしないよう、かなでは練習室の外で待つことに。
しかし、睡魔が襲ってきて——
火積「…………ふぅっ…。もう…3時間も経っちまったのか…」
  「……ひと息入れるか……」
練習室を出てきた火積が見たのは、魔法瓶を抱えたまま眠っているかなでだった。
火積「——なっ!? 小日向…? なんで…あんたがここに……?」
  「……………寝てる…のか…?」
火積がかなでの肩をそっとゆするが、熟睡しているのか、かなでが起きる気配はない。
火積「……このまま放っとけるわけねぇだろ…」
かなでを起こさないようやさしく練習室へ運び、かなでに自分の上着をかける火積。
火積(わざわざ来なくてよかったってのに…。俺なんかを気遣う必要はねぇんだ…)
  (……だが、それでも来ちまうのがあんたなんだな……)
  (あったかいな…スープも、あんたも…あんたの心も…………)