自分が作った弁当を互いに交換しようと七海と約束していたかなで。 約束の日のお昼休みになり、七海と一緒に弁当を食べている。 七海「先輩のお弁当、すっごくおいしいです。どれも、先輩そのものみたいな優しい味がして……」 「って、な、なに言ってるんだオレ……! 気にしないでください。 ……何しろオレ、こんなに緊張する昼休み、初めてで……っ」 七海お手製の弁当を食べたかなでが「とってもおいしい」と告げると、緊張の糸が切れたように ホッとした笑みを浮かべる七海。 「…………ほ、本当ですか? ……オ、オレ、すごくホッとしました……。ありがとうございます」 そう言うと、今度は満面の笑みで、もっとどうぞと言わんばかりに唐揚げやエビチリ、点心が入った ボリュームたっぷりの重箱をかなでに差し出す。 「唐揚げにかかってるあん、ご飯にも合うんです。オレ、3回はおかわりしちゃいます! 昼定食でも、いっつも大人気で——」 「……あの、他にも人気のメニュー作ってきたので。ぜひ、召し上がってください」 「エビチリとか、春巻きとか……春巻きは、春雨をたっぷり入れたので食べ応え十分です! 食後のデザートに、点心もありますよ」 「オレの点心、常連さんにも太鼓判もらってるんです……!どんどん食べてくださいね!!」 七海の荷物から次々に、際限なく出てくる弁当。 食べても食べても無限に出てくるかのようで——。 「あっ、他の段も気になりますか? チンジャオロースとか、八宝菜とかいろいろありますよ!」