氷渡と共に、水上バスに乗りこんだ主人公。 夕方になって少し涼しくなった風が、頬を撫でていく。 氷渡「——いい風だな。今は夕日を見るぐらいしかできねぇが、夜にはこの辺一帯がライトアップされる」 「本当は、お前はそっちのほうが、楽しめるかもしれないと思ったんだがな」 だが、実際に氷渡がデートの時間帯に選んだのは、夜ではなく夕方。 それにはふたつ理由があるらしい。 氷渡「練習で疲れてるお前を、あんまり夜遅くまで引っ張りまわすわけにもいかねぇだろ」 「それに、こうやって潮風を感じながらながめる夕日が、俺は結構気に入ってるんだ」 だが、氷渡は自分が練ったデートプランに納得がいっていない様子。 氷渡は、夕日に染まる街を切なげに見つめて——。