冥加を瑞島神社の夏祭りに誘うことに成功したかなでは、ニアにうながされ浴衣を買いに元町へ。
ニア「うん、いいじゃないか。その浴衣、君に似合いだと思うぞ」
ニア「そうだ、君の携帯を貸してくれ。なに、悪いようにはしないさ」
そう言い、かなでの携帯から冥加にメールを送るニア。
ニア「ふふ、あいつがどう出るか。想像するだけで今日の午後の退屈が消えうせそうだ」

夕方、待ち合わせ場所に浴衣姿で来た冥加に「まさかあのメールせい?」と驚くかなで。
冥加「誰が打ったか知らんが、ずいぶん挑発的な内容だったな。
     つきあう相手は選んだほうがいいんじゃないか?」
  「これは貴様が持っていろ」
おもむろに、うちわを差し出す冥加。切り絵の金魚が涼しげな柄だ。
冥加「……浴衣をあつらえたら、店側がサービスとして寄越してきた。
  その浴衣には似合いだろう」
  「…………行くか。こうしていても始まらん」

店員「いらっしゃい、いらっしゃい! うちのたこ焼き、たこの大きさが尋常じゃないよ~!」
冥加「……………………」
横浜天音男子生徒「おい、見ろよ、あのくじの特賞! 最新のゲーム機じゃんか! 見てろ、一発で当ててやる!」
神社は、夏祭りらしい喧騒に包まれ、たくさんの人でにぎわっている。
冥加「――騒がしいな、来たことをさっそく後悔しそうだ」
そんな冥加の手を取り、「こうやって歩いてみたい」と言うかなで。
冥加「……わかった。今日だけは望みを叶えると言った以上、どうとでもするがいいさ」